第5話 紅き瞳
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同意を示すサラマンダー。彼女と、ハルファスやハゲンチが召喚されている現場で、俺が暴挙に及ぶ事はないでしょう。
「これで、長門さんと同じ部屋で眠ったとしても問題はない。但し、俺の他にサラマンダーやハルファスにも同じ部屋に居て貰うけど。それぐらいは問題ないやろう?」
俺の問いに、無言で首肯く長門。何か良く判らないけど、不機嫌な雰囲気は大分マシに成ったから大丈夫だと思いますが。
しかし、俺が眠る場所など、そう拘る必要はないのに、何故、彼女は、俺が彼女の寝室に眠る事に拘ったのでしょうか。
……俺は、少し不機嫌な状態から回復し、その吸い込まれそうな双眸に俺を映す少女を見つめた。
相変わらず、感情を表す事のない透明な表情で俺を見つめる長門。
う〜む。彼女の可視範囲内に俺を……正体不明で、完全に信用した訳ではない相手を常に置いて置きたい。考えられる理由としてはこの程度ですか。
何か、自分に不利益となる行動をさせない様に。
いくら、自らの生命を救って貰った相手だと言っても、すべてを信用出来る訳は有りません。まして、彼女の造物主の情報を調べられる事は、流石に彼女に取っては禁忌に当たるはず。
いや、彼女自身が許すとか許さない以前に、造物主がそれを許さない。普通は、一時的にでも、こうやって、別の主人格が存在する事さえ出来る訳がないのですから。
但し、彼女の探知能力がどの程度有るのかが判らないけど、その探知能力を躱す方法の幾つかなら、当然持っているのですが……。
そう考えながら、彼女を見つめる。
同じように、俺の顔を見つめ返す長門。表情は透明な表情のまま。但し、彼女が発して居る雰囲気は疑問符。
そして、俺に対する悪意を、彼女から感じる事はなかった。
「そうしたら、改めて言わせて貰うな」
詮索の必要はない。まして、彼女を信じたのは俺。一度、信用したのなら、最後まで信用しろ、と言う事ですか。
「俺の事を信用してくれて、ありがとうな」
俺の言葉に、少し首肯いて答える長門有希。但し、今回は、驚いたような気を発する事は有りませんでした。
☆★☆★☆
「起きて」
…………優しく、ゆっくりと揺り起こされる。
「朝」
…………女性の声なのですが、朝に俺を起こしてくれる相手などいません。
「……おはよう、さん」
まったく働かない頭を、無理矢理たたき起こし、寝ぼけた雰囲気のままで朝の挨拶を行う俺。
女の子の極度の低血圧なら可愛げも有るのですが、俺のような平均的な男子高校生では、朝から全開の方が、笑いの神も微笑んでくれるのでしょうが……。俺には無理です。
色々な意味でね。
「おはよう」
俺の朝の挨拶に対して、感情の籠らない
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