第4章 聖痕
第46話 イザベラ登場
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まして……。
【そのポルトーの街と言うのは、過去にアルビオンの領地で有った事はないか?】
俺の問いに、軽く首肯くタバサ。これは肯定。
……これは、もしかすると、厄介な時期に、厄介な場所に向かう事に成っているのかも知れませんね。
俺の知って居る地球世界の歴史では、この清教徒革命の時代のボルドーは、フランスの支配に対して反逆を企てていた時代に当たるはずです。確か、ヘンリー二世と結婚した公女の関係で、百年戦争の間はイギリス領だったはずです。このボルドーと言う街は。そして、その際に培った自主独立の気風がフランスへの反発へと繋がったはずなのですが……。
まして、現在のガリアの状況は、殺人祭鬼の暗躍に因って内乱寸前にまで事態が進み掛けたトコロを、タバサの父親が抵抗した為にクーデター自体は防げたものの、そのクーデター計画に関わった貴族達に対する粛清の風が吹き荒れつつある状態。
そんな安定した、とは言えない国の状態の時に、新領主が誕生したばかりのポルトーに、王女が行幸するって……。
俺は、イザベラ姫を見つめてから、この厄介事を引き起こした張本人のイザベラ姫付きの侍女を少し睨む。
今回の任務についても、命懸けの任務に成る事は間違いないじゃないですか。まして、今までの例から考えると、この姫はそんな火種の燻っている場所に敢えて乗り込もうとしているようにしか思えないのですが。
刹那。俺の鼻先に付き付けられる魔術師の杖。
もっとも、この場の精霊はすべて俺の支配下に有るので、魔術師の杖を突き付けられたトコロで、痛くも痒くもないのは確かなのですが。
まして、俺とタバサに関しては、物理反射と魔法反射。更に、木行無効。呪殺無効状態と成っているので、この馬車ごと吹っ飛ばされたとしても、生き残る可能性は非常に高いですから。
「謀反人に付けられた御目付け役如きが、王女に対して不敬であろうが」
王家に対して忠誠心の厚い騎士に相応しい台詞を口にするアルタニャン。
しかし、
「それは、失礼致しました。私としましては、新しく付けられたイザベラ姫付きの侍女と言う少女に興味が有ったのですが、どうやら、私が見つめていたのは、イザベラ姫の方でしたか」
……と、涼しい顔で答えを返す俺。
もっとも、どうも、このシャルル・アルタニャンと言う人物は好きに成れないので、少々、挑発をする気に成った、と言うのが真相なのですが。
まして、コイツが本当に史実上の彼と同一人物ならば、この場にシャルル・アルタニャンと言う人物はいないはずですから。
俺の見鬼の才にも、違和感として伝わって来ていますしね。
俺の挑発に等しい台詞に、流石に気色ばむアルタニャン卿。
しかし……。
「
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