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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第46話 イザベラ登場
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るポルトーの街へは、最初の日は飛竜を使用して移動を行い、次の日には王族専用の馬車にての移動。直線距離にして片道、五百キロメートルにも及ぶ大移動と成りました。
 もっとも、俺としては五百キロ程度なら、俺の式神のワイバーンならば二時間。悪くても三時間程度も見て置けば余裕で到着出来るので、非常に無駄な時間を過ごしているような気がしないでも無かったのですが。
 ……って言うか、最初からその予定で、兵と物資。それに、王女付きの人間達を、初日に泊まる予定の街まで移動させていたと言う事ですか。

 王族のやる事は、無駄が多いと言う事です。
 もっとも、質素倹約を旨として、国内の活発な消費を落ち込ませるような無能な連中よりは、少々派手で華美で有ったとしても、国民の雰囲気を上げるようにする王家の方がマシですか。

【タバサ。そうしたら、ポルトーの街に関する説明を頼めるか】

 かなり乗り心地の良くない王族専用の馬車に辟易としながらの俺の問い。もっとも、この世界の馬車に関しては、何時でもこんな感じで、何回乗ったとしても慣れるモノではないのですが。

 流石に、完全にアスファルトで舗装された道路ではない街道を、ポルトーへと進む王女一行。

 但し、次の時には、サスペンションの効いた馬車と言う物を用意して貰うか、俺自身が用意した方が良いでしょう。……と、心の中で決意を固めたのは言うまでも有りません。

 それで現在の状況は、……と言うと、現在は行程の二日目。王室専用の馬車にて運ばれるイザベラ(タバサ)イザベラ付きの武官()イザベラ付きの侍女(イザベラ)。そして、この王女一行のポルトー行きを護衛する東薔薇騎士団の騎士達を統括するシャルル・アルタニャンの四人が、さして広いとは言えない王女専用の豪奢な馬車の中で鼻を突き合わせている状態。

 しかし、普通に考えるのならば、アルタニャン卿は、馬車に同乗するのではなく、騎馬によって付き従う方が筋だと思うのですが。
 これは、タバサに施した魔法が効果を失った際に、即座に対応出来る為の処置だと説明されているのですが……。

 どうにも、取って付けたような理由のような気もしますね。

【古くからワインの生産が盛んな港町】

 乗り心地の良くない馬車の中に有っても変わる事のない雰囲気のタバサに因る、かなり端的な説明が為される。もっとも、彼女の座っている場所には、俺が準備したクッションが置かれていたのですが。

 それにしても……。
 ワインが有名で、呼び方がポルトーで、ガリアの西部に位置する港町。

 ……と言う事は、これから向かう先は、地球世界で言うトコロのボルドーと言う街の事ですか。その街の新しい支配者と言う事は、ガリア国内でもかなりの有力者で有る事は間違いないですね。


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