第4章 聖痕
第46話 イザベラ登場
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はないと言う事ですか。
東薔薇騎士団イコール銃士隊と考えるのならば。
「仰せのままに」
こちらの方は騎士らしい仕草で命令を受け取り、腰に差していた魔法使いの杖を引き抜き、呪文を唱えるシャルル。
その一瞬の後、タバサの雰囲気が変わった。容貌が微妙に変わり、タバサから、イザベラの顔へと変化する。
しかし、顔の形は変わりましたが、変化は其処まで。身長はどう考えてもイザベラの方が高いですし、体型の方も、イザベラの方がより女性的な……。
どう考えても、この程度の変装で刺客の目を誤魔化せるとも思えないのですが。
俺が、タバサとイザベラ。そして、魔法を施したシャルルの間に視線を彷徨わせた後、再び、タバサの元に視線を戻す。
そう。自らの仕事はタバサの身を護る事で有って、イザベラの護衛ではない。そう考えた後に、この件に関しては深い詮索は行わずにスルーする事に決めたと言う事です。
ただ、今までタバサの元に下された指令は、どう考えても、この目の前の少女より発せられていた物。その今までの命令と、今回の命令との間には、同一人物が発したとは思えない程の差が有ると思っては居るのですが……。
少しドコロか、かなり穴の有る命令のような気がしているのも事実です。
但し、もしそうだとすると、今回の指令は、タバサを囮にする以外の目的が有ると言う事なのですが……。
そんな事を考えていると、既に立ち上がって、タバサの傍らにまで接近して来ていたイザベラが、タバサの顔に残った唯一の自らと違うパーツ。赤いフレームのメガネを取り去る。これで、容貌だけならば、誰もイザベラとタバサの二人を見分ける事は出来ないでしょう。
ちなみに、タバサの掛けているメガネは伊達。中世ヨーロッパの人間とは思えないのですが、彼女は何故か、ファッションの為に伊達メガネを愛用している、と言う事です。
そんなに安価なモノでもないのですが……。それでも、彼女にメガネは良く似合って居るとも思いますから、これは、これで良いのでしょう。
それに、このような任務の時にメガネが無ければ、他人の顔の見分けが付かないくらいに目が悪くては、問題も有りますから。
「今回の任務は、ポルトーと言う街の支配者。ブランシュー家の新しい当主の御披露目のパーティへの出席だよ」
そんな、何処か違う世界に向かっていた俺の思考の事など気にする事もなく、イザベラは、タバサと、ついでに俺に対して任務の内容を告げた。
但し、その言葉に続けて、
「そして、今回の任務はわたしも、王女付きの侍女として同行する」
……と、不穏当極まりない台詞を続けたのでした。
☆★☆★☆
ガリア西部にあ
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