第4章 聖痕
第46話 イザベラ登場
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ル・アルタニャン卿ですか。ただ、銃士隊ならぬ、東薔薇騎士団の副長を務めていると言う事は、既に三銃士は存在しない可能性も有りますが。
それにしても……。
俺は、もう一度確認する為に、そのシャルル・アルタニャンと名乗った青年騎士を能力の籠った視線で見つめてみる。
……矢張り、間違いなし。この青年騎士は、少々御近付きには成りたくはない類の陰の気を放っている人物です。
「わざわざ、済まなかったね」
部屋に入って来たシャルル・アルタニャンに対して、口先だけの雰囲気を放っている謝罪の言葉を口にするイザベラ。もっとも、流石に書類に向けられていた視線はシャルルの方に向けられて居ましたが。
しかし、彼女の方も微妙な反応。どうにも、胡散臭い関係のように見えますね。
何と表現すべきか少し難しいのですが……。タバサに対して居た時の態度と、シャルル・アルタニャンと名乗ったイケメン騎士に対する態度は同じです。但し、彼女の発して居る雰囲気が違う、と表現すべき状態のように感じますね。
シャルル・アルタニャンが何か腹に一物持っているのなら、イザベラの方も何かを隠し持っている。と言う雰囲気ですか。
どちらにしても、俺やタバサのような人間には、向いていない世界に生きる人間達のように思いますね。この人たちは。
「わたしと、00893号では、少し印象が違うからね。だから、フェイス・チェンジを使用して変装して貰う」
この場に、東薔薇騎士団副長が現れた理由について、そう判り易い答えを口にするイザベラ。但し、どうも、この少女も複雑な思考を持っているようで、発して居る言葉がすべて真実とは限らない雰囲気が有ります。
何となくですが、キュルケに近いような雰囲気と説明したら伝わり易いですか。
そのイザベラの言葉を首肯いて答えるタバサ。これは同意。元より、彼女に命令に対して否はない。
「なら、済まないけど、この娘に魔法を施してくれるかい。アルタニャン卿」
タバサの同意を受けてから、シャルル・アルタニャンに対してそう言うイザベラ。しかし、その際のイザベラの言葉からは、どう考えても命令を行っている、……と言う雰囲気を感じる事は有りませんでした。
この程度の事ならば王族らしく、上から命令したら良いと思うのですが……。
確かに、ガリアの騎士が正式に忠誠を捧げるのはガリア王でしょうが、彼女は王女であるのは間違いないと思うのですが。
もしかすると、東薔薇騎士団所属の騎士に対して命令を下せるのは王のみ、と言う法が有るのかも知れませんね。確か、地球世界のフランスでは、銃士隊の隊長は国王で有ったはずです。つまり、彼。シャルル・アルタニャンに対して命令出来るのは国王のみ、と言う法律が、このガリアに有ったとしても不思議で
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