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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第46話 イザベラ登場
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ィに参加して貰う」

 ここでようやく顔を上げたイザベラが、タバサと、そして、ついでのように俺を一瞥してから、再び、書類に視線を落とした。
 そして、

「本来なら、伯爵家の新当主のお披露目パーティなどに参加する事はないんだけどね」

 次の書類に目を通しながら、イザベラはそう続ける。口は悪いし、行儀も良くは無さそうですが、仕事に関しての熱意を感じはします。
 それにしても、タバサのひとつ上ならば俺と同い年のはずなのですが、その年齢とは思えないような仕事ぶりですね。

 もっとも、北花壇騎士団とは、騎士団と表現されていますが、その仕事はむしろ、何でも屋。汚れ仕事から、その他の細々とした仕事まで、普通の騎士団が担わないような仕事を熟す騎士団の長ですから、俺の想像よりも仕事が多いのかも知れませんが。

「ただ、其処でわたしを殺すと言う予告状が届いてね。面白そうだから、参加する事にしてやったんだよ」

 ……と、騎士団の長に相応しい剛毅なる台詞を口にするイザベラ。但し、その際に影武者を立てるのですから、剛毅だろうが、剛直だろうが、あまり関係はないのですが。
 もっとも、この姫さんを殺したら、ガリアが混乱する事は間違いないでしょう。まして、未だ旧オルレアン派と言う貴族が存在している現状のガリアでならば、想像以上に酷い状況に陥れる事も可能だと思うのですが。

 そこまでイザベラが話した瞬間、再びノックされる扉。

「入ってきな」

 部屋の主イザベラがそう答える。
 その声を待っていたかのように開かれる扉。その扉の向こう側には、俺達を案内してきた侍女とは違う侍女と、一人の青年騎士が存在していた。
 そして、俺達の時と同じように侍女は扉の向こう側に留まり、青年騎士のみが室内に入って来る。

 手に羽飾りの着いた派手な帽子を持ち、中世ヨーロッパ風の衣装。……と言うか、中世よりは少し下る三銃士に登場する銃士風の衣装。ズボンは膝丈のキュロットに乗馬用のブーツ。全体的に派手な刺繍が施されており、袖口からはレースが覗いている。

 洗練された仕草で軽くイザベラに対して一礼を行う青年騎士。但し、服装自体は、俺の目から見た印象から言わせて貰うなら…………(道化者)。少なくとも、この世界の騎士の姿を、俺は真似をしたいとは思いません。
 更にカイゼル髭とまでは言いませんが、両端をピンと張った髭も、この世界的には強さや威厳の証かも知れませんが、俺から言わせて貰うと………………(明治時代の警官)。真似をしたくは有りません。

「東薔薇騎士団副長シャルル・アルタニャン。参上、致しました」

 そう、青年騎士が自己紹介を行う。その台詞に、少し口元のみを皮肉の形に歪ませる俺。
 やれやれ、またもや超大物の登場ですよ。今回はシャル
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