第4章 聖痕
第46話 イザベラ登場
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ている別室に続くドア以外の部分は、すべて本棚に因って埋められ、図書館……と言うよりは、その雑然とした、如何にも整理されていない雰囲気からは書庫を思わせ、
執務机の、俺から見て右側に存在するワゴンに整然と積み上げられた決済前の書類と、左側のワゴンに雑然と積み上げられた決済後と思しき書類の山。
……どうやら、イザベラ姫とは右利きで、更に活字好き。そして、少々、ズボラな性格だと言う事は良く判りました。
タバサも、日常生活にはあまり頓着しない人間なのですが、従姉に当たるイザベラ姫は、更に日常生活を送る上で問題の有る人間だと言う事なのでしょう。
「二人とも立ちな。そんなトコロに跪かれて居たら、顔の確認も出来はしないよ」
そう、俺とタバサの下げた頭に向かって少女の声が……投げつけられた。
どうやら、この声の主がイザベラ姫だと思うのですが、なんと言うか……。そう、このぞんざいな言葉使いが大国ガリアの姫なのでしょうか、と言う感じですか。
この少女と比べたら、ルイズやキュルケの方が、ずっと貴族の姫様らしいですよ。
そんな事を考えていると、タバサがあっさり立ち上がったのを確認する。成るほど。どうやらこのイザベラ姫と言うのは、貴族の形式ばった体面よりは実用的な態度で臨む人間だと言う事ですか。
何故ならば、タバサは従妹とは言え、現在は表向き謀反人として家名を奪われた存在。まして、彼女の現在の身分は勲功爵を持っているに過ぎない。そんな相手に対して、簡単に立ち上がれとは言えないでしょう。
ここには、イザベラ付きとは言え、侍女たちの目も有るはずですからね。
直接、目で確認出来る範囲内には、俺とタバサ。そして、イザベラの三人しか存在しては居ませんが。
タバサに続いて立ち上がった俺の視界に、うず高く積まれた書類に挟み込まれた執務机に向かう蒼い髪の毛の少女の姿が映る。
但し、顔も見えないと言った割には、本人は立ち上がった俺とタバサを見つめる事はなく、視線は手元に落としたまま、羽根ペンを使用して書類にサインを施していた。
確か、彼女はタバサとは一歳違いと聞いたはずですが……。
見た目は蒼い長い髪の毛を持つ、タバサと何処か面影に通じるトコロの有る少女。少しおでこが光っているような気もしないではないのですが、それでも富士額と言うのは美人の条件の内にも入っていますから、許容範囲内でしょう。
いや。顔の造作が良くなければ、前髪をアップにして額を完全に晒すとかなり残念な印象に成る方も居ますから、それだけでもこのイザベラと言う少女は美少女に分類されても良いとは思います。
但し、同じ血族に繋がるタバサや、龍の姫アリアと比べると……ですが。
「今回の任務は、わたしの影武者として、有る貴族の開くパーテ
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