第五幕その一
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「今までのことを思えば復讐するのが当然よ」
「そうよね、それが人間ですもの」
「復讐ですか」
チェネレントラはそれを聞いてまた笑った。
「復讐されることを望まれるのですか?」
「貴女がそう望まれるのなら」
三人はそう答えた。
「慎んでそれを受けましょう」
「わかりました」
チェネレントラはそれを聞いて満足そうに頷いた。
「それでは復讐を致しましょう」
「はい・・・・・・」
「覚悟はできております」
三人は頭を垂れた。チェネレントラはその三人に前に歩み寄った。そしてその両手を広げた。その手で彼等を包み込んだ。
「え・・・・・・」
包み込まれた彼等は驚いた顔でその手を見た。白く長い絹の手袋で包まれた、清らかな手であった。
「これが私の復讐です」
チェネレントラは優美な笑みを保ったままそう言った。
「私はこれからも、そして何時までも貴方達と家族でいたいのです。宜しいでしょうか」
「はい・・・・・・」
三人はその手の中で頷いた。そして赤い絨毯に一粒の真珠を落とした。それで全てが許された。
「私は確かに今までは恵まれているとは言えませんでした」
チェネレントラは三人から離れるとそう語りはじめた。
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