第八話『ラウラ・ボーデヴィッヒ』
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あの模擬戦から一夜明け、現在隊長室にてスウェン、クラリッサがシュハイクの前に立っている。
「二人とも昨日の模擬戦はご苦労だった。中々良い戦いだったぞ?」
「ありがとうございます」
「スウェンはこれからも精進してくれ。以上、下がりたまえ」
「失礼します」
スウェンは一礼し、部屋を出て行く。
「しかしクラリッサ、お前が負けるとはな。手加減していたか?」
「最初は……スウェン少尉のISが形態移行してから、私は全力で戦ったのですが……彼の方が一枚上手だったようです」
「ふむぅ……あの若さにして……か。やはりあの少年を引き入れて正解だった」
「……隊長、にやけ過ぎです」
「おっと、いかんいかん。今回の模擬戦で、部隊の皆はスウェンへの認識を改めることになったろうな」
「はい。隊長の目は節穴ではなかった、という事ですね」
「……オイ、隊長に何て物言いだ。私は人を見る目だけは誰にも負けないぞ?」
「ええ、そうですね。しかし、本当に彼は何者なんでしょう?」
「さあな。だが解る事は一つ、彼はこの黒ウサギ部隊に何かしらの影響を与えることは確実だ。実に楽しみだよ」
「良いほうに転ぶか、悪いほうに転ぶか、ですね。それでは私は持ち場へ戻ります」
「ああ、引き続き頑張ってくれ」
/※/
「……」
隊舎を歩いていると、隊員の視線がスウェンに刺さる。これがロイの言っていた怖い視線? なのだろうか。彼にとってこの視線は大したことがない。すると、スウェンの目の前に一人の少女が仁王立ちしていた。
「スウェン・カル・バヤン少尉」
「確か……」
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。ラウラで構わん」
「俺もスウェンで構わない」
「ならばスウェン少尉、これから私に付き合え」
「?」
/※/
「付き合えとはこの事か」
スウェンとラウラが来たのは隊員の食堂だ。二人は机を挟んで座り、目の前にカレーを置いている。時間も時間であり、これは昼食になるだろう。
「スウェン少尉。私は昨日、お前に失礼な言動を言ってしまった。すまなかった」
頭を下げ、謝罪の言葉を述べるラウラ。スウェンは少し驚きながらも
「いや、絶対的な兵器であるISは女性にしか使えない、女性が尊重されるの当然だ。だから男である俺が、あのようなことも言われても当然……俺は気にしてはいない」
「そうか……お前は器が大きいのだな」
「そうでもない」
「……」
スウェンは会話が途切れると、直ぐに食事を始める。何口か食べ、ラウラが何か言いたそうな表情をしていたため、スウ
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