第四幕その二
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はは」
ダンディーニはそれに笑いながら答えた。
「確かに私は偽者でした」
「何と」
「それみろ」
マニフィコは不機嫌そのものの顔で彼等の側にやって来た。そしてこう言った。
「一体何の用なのですかな」
「何かありましたの」
「嵐で家が壊れたの?」
上にいる娘達も出て来た。そして下に降りて来た。
「あっ」
そしてダンディーニを見た。二人ももう彼のことは知っていた。一応頭は下げたがそれだけであった。恭しく礼をする気にはもうなれなかった。
「やあ、どうも」
「何か御用ですか?」
二人はあからさまに嫌そうな顔でダンディーニを見た。
「いや、何」
彼はそれをおものともせず余裕を以って応えていた。
「実はトラブルが起こりまして」
「ほう」
マニフィコは何かを探るような顔で彼を見ていた。
「私も今日はえらいトラブルに巻き込まれましたぞ」
「ははは、そうでしたか」
「他ならぬどなたかのせいでね。まあそれはいいことです」
「はい」
「それで何か起こったのですかな」
「実は殿下がこの近くにおられまして」
「本当ですか!?」
それを聞くとやはり普通ではいられなかった。マニフィコと二人の娘達は声をあげた。
「はい、馬車で移動されていまして」
「それで」
「その馬車が転倒してしまったのです。それでご助力を願いたいのですが」
「そういうことなら」
マニフィコは胸をドンと叩いてそれに答えた。
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