第二幕その六
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第二幕その六
「半信半疑ね」
内心そう思うとおかしかった。だがそれは決して顔には出さなかった。ラミーロはやはり彼女から目を離さない。そしてアリドーロにそっと囁いた。
「聞きたいことがある」
「はい」
アリドーロはにこりと笑ってそれに応えた。
「まさかあの貴婦人は」
「ええ、わかっておりますよ」
彼はそれに頷いてみせた。
「殿下の思っておられる通りでございます」
「ふむ、そうか」
彼はそれを聞いて頷いた。
「そうだったのか。先生」
「はい」
「よくぞやって下さいました」
「いえいえ」
「彼女が私の・・・・・・」
「おっと殿下」
だが彼はここでラミーロの言葉を遮った。
「まだまだ舞台は続きますぞ。全てが終わってからでも宜しいでしょう」
「それもそうか」
「左様です。それまでゆっくりとお楽しみ下さい」
「ではそうさせてもらうよ」
「どうぞ」
そして彼等は戻った。ダンディーニも乗っていた。
「さて、皆さん」
彼は一同に語り掛けていた。
「それでは食卓へ参りましょう。そして心ゆくまで楽しみましょう」
「はい」
「是非とも」
皆それに頷いた。つい先程までマニフィコと一緒に飲んでいた者達もである。顔は赤くなっているがまだまだ飲み足りないようであった。
「そなた達も一緒にな」
「はい」
ダンディーニはここでその従者達にも声をかけていた。この国では宴は身分を問わず参加してもよいのだ。その方が楽しめるからであると共に王家の懐の広さを宣伝する意味もあった。
「それでは殿下、こちらへ」
「うむ」
彼は従者に案内されながら頷く。そして歩きながら考えていた。
「今日はたっぷりと楽しませてもらうか」
これからの食事や酒のことを考えると自然と口元が緩んできた。
「四人分は食べさせてもらうとするか」
そしてそのまま向かう。後に他の者が従う。
「さて、貴女も」
ここでアリドーロが貴婦人に声をかけた。
「はい」
貴婦人はそれに頷く。そしてアリドーロに案内されて宴の場に向かう。
「先生」
ラミーロはまたアリドーロに声をかけた。アリドーロはそちらに顔を向ける。
「いよいよですね」
「はい」
「これから」
「そう、これから」
彼はラミーロに言ってそう頷く。
「第二幕の幕開けといったところですかな、ほほほ」
そう含み笑いをした。そして進む。マニフィコと二人の娘達も当然一緒だる。彼等はまだヒソヒソと話をしていた。
「やはり似ておるな」
「そうよね」
「全くだわ」
三人はそう話し込んでいる。
「けれどここにはいない筈よ」
「そうそう、家に残っているんだから」
「そうじゃよな」
三人はそこで頷き合った。
「だからあの貴婦人はチェネレントラでは
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