第六十話 魂、久遠に
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葉に答える。
「それがバラルの神だった」
「バラルの神・・・・・・」
「超機人の主にして地球の守護神アウグストスと呼ばれる僕達の神」
孫はこう言う。
「君達には人造神ガンエデンと言った方がわかりやすいだろう」
「た、確かにイルイちゃんも」
クスハはイルイのことを思い出して言う。
「龍王機と虎王機はガンエデンを裏切った超機人だと言ったけど」
「だが」
ブリットも言う。
「そのガンエデンはもう存在しない!俺達が倒した!」
「まさか」
クスハはここでまた気付いた。
「貴方はその敵討ちをするつもりなのですか!?」
「残念だけれどそんな義理はないさ」
孫はそれは否定する。そのうえでまた言う。
「ガンエデンは元々超機人とは別の系譜で造られたもの」
「そういえば」
「確かに」
「それが失われようが僕と真・龍王機は本来の役目を果たすだけさ。即ち人界の救済をね」
「言っていることが滅茶苦茶じゃないか!」
ブリットは思わず激昂して叫んだ。
「ならば何故俺達と戦う!?」
彼は孫に問う。
「帝国監察軍について地球を奴等の野望の駒とすることが何故人類を救うことになる!」
「人間という種を死と再生の輪廻から解脱させる為にはこの宇宙の理を解く必要がある」
これが孫の答えだった。ブリットに対する。
「ガンエデンは、その鍵になりえる存在だったのだよ」
「ど、どういうこと!?」
「さてね」
それには答えない。
「その為にバルマーに手を貸すのか!?」
「まあそれだけじゃないけれどね」
「それだけじゃない。じゃあ」
「これ以上は答えないよ。さて」
話を一方的に打ち切ったうえでまた言う。
「では。死んでもらおうか」
「死にはしません。それに」
「あれっ、まだ質問かい?」
「貴方はまだガンエデンに仕えているのですか」
「ああ、そうだよ」
孫はあっさりとした調子で今のクスハの言葉に答えた。
「それがどうかしたのかい?」
「ガンエデンに仕えている。けれどガンエデンは」8
「あの子だけがガンエデンじゃないしね」
「えっ!?」
「さて、クスハ君」
これ以上は話さず自分のペースに持って行こうとしてきた。
「この前みたいに怒りの強念でも呼ぶかい?」
「そんなことはしません」
だがクスハの言葉は強い否定だった。
「私は怒りでは戦いません」
「へえ」
「私はこの地球と人々を守る為に戦います」
「俺もだ」
ブリットもそれは同じだった。
「俺もこの地球と。そこにいる人達を守る為に戦う!」
「まあ小さな正義でしかないね」
「小さな正義だと!」
「そうだよ、所詮ね」
何でもないといった調子だった。
「そんな小さな正義で真理を見つけられない君達は」
「私達は」
「ここで死ぬ運命なのだね、僕によってね」
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