第五十九話 怒りの強念者
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ヘブライの巨大な海竜である。そのあまりもの巨大さで有名になっている海の獣である。かつては他の神話の邪神の家臣だった。
「リバイアサンですか」
「本来リバイアサンはつがいだったのだ」
クワトロは言う。
「だが雄だけが残ったのだ」
「雄だけが」
「そうだ。そして箱舟にも雄と雌がそれぞれ乗った」
そうして全ての動物を救った。ノアの箱舟の伝承だ。
「女だけというのはユダヤ教ではまずない」
「それではつまり」
ミサトはここまで聞いてある考えに及んだ。
「男のガンエデンもいると」
「そしてそれはまさか」
「いや、有り得る」
今度はアムロがミサトとカミーユに答えた。
「それもな。やはり」
「そうですか」
「ではひょっとするとバルマーも」
「誰もそれについてはわからないがな」
アムロは今は断定は避けた。
「しかしひょっとするとだ」
「今後はそれも見ていきますか」
「そうだな」
クワトロがミサトの言葉に頷いた。
「それもだな」
「では今は補給を受けよう」
アムロは戦いに話をやった。
「先程の戦いでかなりの燃料弾薬を消耗している」
「確かに」
それにミサトが頷く。
「バルマー軍は連続して攻撃を仕掛けてくることが多いですし」
「それを考えるとな。ここはやっぱり」
「うむ」
クワトロがアムロの言葉に頷いた。
「そうしよう、ここはな」
「わかりました。それでは」
「あの孫光龍」
アムロは彼の名も呟いた。
「また出て来るだろうな」
「そうだな、おそらくは」
「わかるのですね」
「いや、わかるというよりは」
アムロがミサトに答える。
「感じるんだ」
「気配をですね」
「何となくだけれどな。来ると思う」
「そうですか。ではやはり今のうちに」
「そうしよう。次の戦いに備えて」
「ええ、それでは」
彼等はまた補給を受けることになった。戦いの中で。ブリットの傷は深くそれだけ戦力が落ちていても。それでもまだ戦わなければならなかったのだ。
第五十九話完
2008・5・6
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