第五十九話 怒りの強念者
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それだけだからな」
ジャーダがラーダのその言葉に頷く。
「だから今は」
「二人にさせてあげましょう」
「二人か」
「そうだな」
皆で頷き合う。今はクスハをそっとすることにした。しかし問題はまだあった。
「何故バルマーが出て来た」
アムロはそれに疑念を抱いていた。マシュマー達と同じ疑念だった。
「あそこで。何故だ」
「ガンエデンの従者でしたよね」
カミーユがそこを指摘する。
「確か」
「そうだ。ガンエデンとバルマーは全く別の筈だが」
「いや、そこだ」
だがクワトロはここで言った。
「ガンエデンだが」
「どうした、シャア」
「あれはユダヤ的だ」
「ユダヤ的か」
「そうだ。ガンエデンだ」
まずはこのガンエデンという名に注目する。
「ガンエデンは楽園だ」
「ああ」
アムロがクワトロの今の言葉に頷く。
「楽園の思想はヘブライだ。それに」
「それに?」
「バルマーの十二支族」
バルマーについても言及する。
「ユダヤの十二支族と同じだ」
「!?そういえば」
ミサトもここで気付いた。
「エヴァもまた」
「そうだったな。死海文書だ」
「それにカバラも関わっていますし」
「ガンエデンと何か関わりがあるのか?」
「そしてバルマーとガンエデンも」
これはクワトロの言葉だ。
「何か関係があるのか」
「まだわかりませんね。何も」
「そうだな。今はな」
ミサトとアムロが言った。
「しかし似ているものがある。それに」
「それに?」
「碇司令は死んでいたな」
「ええ」
ミサトはアムロの言葉に答えた。
「そうですが」
「本当に死んだのだろうか」
彼はふとこう言うのだった。
「死んではいないと」
「まさかとは思うが」
ふと思ったのだ。
「あの人のことだ。生きている可能性もある」
「ですが生きているとすれば何処に」
「わからない。しかしガンエデンにはいなかった」
これは間違いなかった。
「こちらのガンエデンにはな」
「!?そういえば」
今度はカミーユが気付いた。
「どうした、カミーユ」
「ガンエデンは女でしたね」
「そうだったな」
「おかしくはないですか。ユダヤなら」
カミーユもユダヤのことは知っている。だから言えるのだった。
「男の神の筈です」
「男の神か」
「ユダヤ教は極めて男権的なのは確かです」
アムロにミサトが述べる。
「それは確かです」
「だがガンエデンは女だった」
「おかしくはありませんか。ユダヤだと」
「いや、そうした例はある」
だがここでクワトロが言った。
「例がある!?」
「クワトロ大尉、それは一体」
カミーユとミサトがここでクワトロに問う。
「何ですか!?」
「その例とは」
「リバイアサンだ」
彼が出したのはそれだった。
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