第二幕その三
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るのであった。
「根っからの悪人ではないようだが。それにしても」
そう言いながらその場を後にする。
「変わった男だな。どうするべきか」
そして王子の間に入った。そこにはダンディーニがいた。二人は落ち着いた雰囲気の部屋の中で話をはじめた。
「そっちはどうだった」
まずはラミーロが問うた。
「あの二人ですね」
「そうだ」
「また変な者達です」
彼は口元を綻ばせてそう答えた。
「妙に見栄っ張りで勝気で。悪者ではないようですか」
「そうか」
「どちらも似たようなものですな。ただ結婚されるには考えられた方が宜しいかと」
「それはわかっている」
ラミーロはそれにすぐそう答えた。迷いはなかった。
「あの二人の父親もな。似たようなものだし」
「そうなのですか」
「ああ。今他の者を連れて宴に出ている」
「はあ」
「あれだけ飲んでもまだ飲めるらしい。それはそれで凄い話だが」
「というと三十樽の酒を全て飲んだのですか」
「そうだ」
「それでまだ。まるで化け物ですな」
「東洋では蛇がそれだけ飲むそうだな」
「そうなのですか?」
「大蛇がな。日本ではそうらしいぞ」
「ここは日本ではありませんからな。さしづめ酒の神ディオニュソスといったところでしょうか」
「そういうには品がないがな」
「それはそうですが」
「まあそれはいい。それでだ」
「はい」
「私の妃だが・・・・・・」
それについて言おうとしたところで例の二人の娘達が部屋に飛び込んで来た。そしてダンディーニの左右に張り付いてきた。
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