第五十八話 闘志、誰が為に
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第五十八話 闘志、誰が為に
「今回は事情が違うな」
「あの時とはね」
ルーがジュドーに応えていた。
「百八十度違うわよ」
「この前はミナキさんの我儘だったからな」
「あの時はミナキさんひっぱたいてやろうかって思ったわよ」
エルは素直に感情を述べる。
「けれど今度はね」
「あいつも馬鹿だよな」
「そうだよ、幾ら何でも無茶苦茶だよ」
ビーチャとモンドも言う。
「あんなのしたら駄目に決まってるだろ」
「俺達でもわかるよ」
「けれどそれに気付かないのが今のトウマなんだよ」
イーノは少しトウマを庇っていた。
「自分ではね」
「それだけ視野が狭くなっているってことだ」
アポリーの言葉だった。
「自分でも気付かないっていうのはな」
「それが問題だな」
ロベルトがそれに突っ込みを入れる。
「自分でわからないのが」
「そうですね。だからミナキさんはトウマさんをパイロットから外した」
シーブックにはわかっていた。
「あまりにも周りが見えていないから」
「自分だけなのね」
セシリーの言葉は少し厳しい。
「今のトウマさんは」
「だから問題なんだ。パイロットを外されてから部屋に篭りっぱなしだけれど」
「飯は食ってるのか?」
「僕が部屋に持って行っています」
トビアがモンシアに答える。
「少しですけれど食べてくれます」
「余計なことするんじゃねえぞ」
「またまた中尉は」
「実はトウマが心配なんだな」
「う、うるせえ!」
プルとプルツーにからかわれて怒る。
「あんな奴どうなってもいいんだよ、さっさと船を降りればいいんだよ」
「こういうのをツンデレっていうのか」
「そうでしょうね」
ヘイトとアデルにはもうわかっていた。
「昔から素直じゃないからな、こいつは」
「本当は心配で仕方ないのに」
「と、とにかくだ」
二人にも言われモンシアは憮然となるがそれでも言うのだった。
「あの馬鹿はまず飯を食ってるのはいいことだ」
「そうですね。それは」
コウがそれに頷く。
「人参以外は」
「コウ、それは違うぜ」
キースが笑って突っ込みを入れる。
「人参も食べないとな」
「人参食べなくても生きていけるさ」
しかしコウは言う。
「別にさ」
「それはそうだけれどさ。まあいいか」
「だが安心はできない」
バニングの声は楽観するものではなかった。
「思い詰めておかしな行動に出る可能性もあるぞ」
「おかしな行動ですか」
「そうだ」
セイラの問いに答える。
「良くある話だ。違うか」
「確かに。アムロもそういえば」
「そうだったな。一年戦争の時だったか」
「ランバ=ラル大尉との砂漠での戦いの時だったか」
カイとハヤトにとっては忘れられない話だった。
「あの時の
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