第五十二話 偽りの華麗
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」
それをゲンナジーに問うのだった。
「何を飲むの?」
「ウォッカだ」
ゲンナジーはそれを言うのだった。
「それをやるつもりだ」
「あれって強くない?」
「だからいいんだ」
やはりロシア人であった。強い酒を好むようだ。
「それを一杯な」
「思いきり飲むんだね」
「その通りだ。ミオもどうだ?」
「あたしは割ってなら」
ミオも何だかんだで飲むのだった。
「ウォッカ。一緒にやろうね」
「うむ」
ゲンナジーが微笑む。二人もまた飲む約束をする。そうこうしている間にロンド=ベルはスコットランドに入りそのまま南下するのだった。
その途中で。報告が入る。
「もうすぐネス湖です」
ユンが報告する。
「ネス湖なのね」
「はい」
レフィーナの言葉に応える。
「もうすぐです」
「ネス湖ね」
レフィーナはそれを聞いてまずは頷いた。
「じゃあ怪獣がいるのかしら」
「ネッシーですか」
「ええ、それはどうなのかしら」
「それは」
しかしここでユンは微妙な顔になる。
「どうでしょうか。あの写真はインチキですし」
「いや、それは違う」
ここで出て来たのは意外な人物だった。
「ネッシーならいるぞ」
「リー艦長」
「あの写真が偽物と断定されただけだ」
彼はこう主張する。
「その他の多くの写真はそうではない。違うか」
「じゃあリー艦長はネッシーはいると思われているんですね」
「その通りだ」
何故かここで強力に主張する。
「ネス湖の大きな謎はまだ解決されていないのだ」
「左様ですか」
「それにだ」
リーはさらに言う。
「この辺りの湖には他にも怪獣が存在する」
「怪獣がですか」
「モラグだったか」
実によく知っている。
「おそらくはネッシーと同じだ。ただ」
「ただ?」
今度はショーンが彼に問う。
「何なのでしょうか」
「ネッシーは恐竜ではないな」
「恐竜ではないと」
「じゃあ一体」
レフィーナも思わず彼等に問う。
「何なんでしょうか」
「おそらくは鰻か何かだ」
「鰻!?」
「そうだ」
リーは主張する。
「こぶが幾つもあったり肌の色が変わったりしているのだから。恐竜とは思えない」
「それでも鰻ですか」
「鰻でなければ首の長い大きなアザラシかアシカか」
「アザラシ」
また一つ仮説が出た。
「陸に出ていた報告もあるからだ。ゾウアザラシなら有り得る」
「ううん」
「そうでしょうか」
「そうだ」
ユンとレフィーナに対して述べる。
「だからだ。あの写真一つでネッシーがいないと判断するのは早計だ」
「左様ですか」
「そのネス湖に至るか」
リーはそのことに感慨を感じているようだった。
「面白い。果たして怪獣が見られるかどうか」
「そうだといいですね」
ユンがそれに
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