第一幕その四
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し上げておくわ」
「ですが」
兵士達が恐れているのは王についてではなかった。
「あの方に御会いするのは」
「やはり」
「貴方達が気にすることではないわ」
サロメは彼等に告げる。
「だから。安心して」
「そうでしたら」
「ではヨカナーン殿」
二人は後ろにいる兵士達に顔を向けてきた。
「こちらです」
「王女様か」
「王ではないのか」
そこにいたのは背が高くみすぼらしい黒い服を着た男であった。髪も髭も切らず伸ばしていた。それはヘブライの風習であった。その目は深い知性を宿り激しい光を放っていた。知性はあってもそれは激しい知性であった。顔はみすぼらしい中にも品性があり卑しい者ではないことを示している。しかしそれ以上に彼が激しい者であることが出ていた。
「あの罪深い王ではないのか」
「御義父様なのね」
サロメはその言葉を聞いてすぐにわかった。
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