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サロメ
第一幕その二
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こちらへ」
「宴には」
「楽しくなくて」
 サロメはその妖しい目に憂いを含ませて答えてきた。
「だから」
「そうだったんですか」
「そうよ。御義父様はね」
 彼女は言う。
「私を変な目で見ているのよ。だから」
 実はヘロデはサロメに対してよからぬ想いを抱いていたのである。彼女もそれに気付いている。だからそれを嫌がって離れたのである。そうした事情があったのだ。

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