移動とデュエル
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突撃技<<レイジ・スパイク>>と呼ばれた技を放つ。基本技とはいえ、SAOトップレベルの速さを持つ俺が使う<<レイジ・スパイク>>を油断していて反応できるわけがなく、ランカーの体を吹き飛ばした。ランカーのHPを確認すると六割ほどが消えていた。ダメージは技の速度、当たった場所、武器の攻撃力に左右される。だから<<レイジ・スパイク>>でも六割削れたんだと思う。ランカーは起き上がると自分のHPを確認して驚愕し、こちらを睨んでくる
「てめえ……何で追撃をしなかった……追撃されてたら俺のHPは0だったはず」
「お前が俺をあなどってたからだ。そんなやつ、相手にする価値がない」
「……その言葉、後悔させてやる」
ランカーが纏う空気が変わる
今度はランカーが先に地面を蹴った。現実で剣道でもやっているのだろう。流れるような動き剣を振り上げる。対して俺は前に突き出した剣を後ろに引き、体ごとひねる。SAOでは一撃必殺のあの技の初動モーションをとる。そこに、ランカーは斬り込んだ。面を狙う一撃。俺はその一撃をランカーの剣の腹を左手で殴った。この技はSAOでの名前で単体体術技<<ショック・ヘッド>>。本来は敵の頭を横凪ぎに殴り、敵を気絶させる技なのだが今回、殴ったのは相手の剣だ。ランカーの顔が驚愕に歪むのを見ながら、そのまま右手の剣で<<ヴォーパル・ストライク>>を放った。<<ヴォーパル・ストライク>>はランカーのHPを全て刈り取った。ランカーのアバターは砕け散り、緑色の炎が後に残った
「お疲れ。というか本気出してなかっただろ。お前の本気にしては遅すぎる」
「えっ、あれで本気出してないの!?」
「まあ、ギリギリで負けた方が悔しいだろ?」
ニヤリと笑ってそう言うと、二人は呆れたようにため息をついた。性格悪い?突っ掛かってきた方が悪いだろ
「とりあえず中に入ろうよ。視線が痛いし」
「はいはい」
そう言って俺たちは店の中に入る。外では、ざわざわとした喧騒が戻っていた
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