第二幕その四
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悲しい顔と声で言った。
「貴方は今日これから最初に握手した者によって殺されます」
「わかった」
王はそれを聞き大きく頷いた。
「ではその占いが外れることを今から証明してみせよう」
そう言って客達を見ました。
「どなたか。私と握手して下さいませんか」
だが誰も顔を青くさせてそれに動こうとはしなかった。若しかすると自分が王を、と思うととても身体が動かなかったのだ。
これは二人の伯爵も同じであった。さしもの彼等もとても動けなかった。ここで動いて自分達の意図が知られるのでは、と怯えたのであった。
「動けぬ」
「ああ」
二人ですら動けなかった。だがここで思わぬ男が姿を現わしたのであった。
「ここにおられましたか」
アンカーストレーム伯爵であった。彼はいつものマントを羽織った姿で王の側までやって来た。
「探しましたぞ」
「おお、君か」
「はい」
伯爵はまだ事態をよく掴めないまま王に応えた。
「丁度いいところに来た。握手をしてくれないか」
「?わかりました」
彼はそれに応えた。そして王の側まで来て握手をしたのであった。
「これで占いが外れることが証明された」
王は握手をした後で満足そうにこう言った。
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