第一幕その三
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いていては国にとってよくないことかと存じます」
「ううむ」
だが王はそれには懐疑的であった。啓蒙君主としての彼がそうさせていた。
「魔女や異端と決め付けるのはよくないのではないか」
そしてそれに言及した。
「それではかっての暗黒の世界と同じだ」
「ですが」
それでも判事は食い下がる。
「世を乱す輩は。国に置いておくわけにはいきません」
「オスカル」
王はここでオスカルの話を聞くことにした。
「そなたはどう思うか」
「畏れながら」
彼は一礼した後でそれに応えた。
「私はいいと思います」
「そうか」
王はそれを聞いて我が意を得たりと喜んだ。
「美しい女達が恋の幸福と不幸を確かめたい時、彼女は常に的確な答えを出してくれます。これにより救われた女性は数知れません」
「ふむ」
王はそれを聞き満足そうに頷いた。
「海を渡る兵士達も船乗り達も。彼女の言葉に導かれます。そして多くの者が死地より帰って来ました」
「素晴らしい者のようだな」
「占いをするだけで魔女とするのは最早時代遅れではないでしょうか」
そして王に対して問う。
「問題はその魔法の内容です。ただ占いをしているだけで罰するのは時代遅れだと思いますが」
「ですが陛下」
それでも判事は頑固に自分の意見を変えようとはしない。
「怪しい者は」
「まあ待て」
王は食い下がる彼を宥めたうえで言った。
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