原作開始前
EP.4 模擬戦 VS 妖精の尻尾
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近に反応して全方位に雷を放ったのは流石、と言うべきだが、気付いた時には既に遅く……
「……双槍”!!」
「ガハアッ!!」
両掌によるワタル渾身の“魂威”を鳩尾に受けて、ラクサスは吹き飛んだ。
ワタルもカウンターの電撃を受けたが、準備ができていない咄嗟の電撃だったためか、ダメージも少なかった。
「イテテ……。これで……どうだ?」
ラクサスの様子を確認しようと、ワタル左腕を抑えながら、観客と共に目を凝らして土煙の中を探った。
そして土煙が晴れ……ラクサスは立っていた。
「っ! マジかよ……タフだな、アンタ」
――左腕に力が入らなかった分、威力が落ちてたのか! さて、どうするか……って、あれ?
自分の全力の一撃を受けて立っているラクサスに対し、ワタルは驚きを超えて呆れた。
すぐに次の手を考えようとしたが、その必要がないことに気が付いた。
「……(ニィ)」
ドサッ!
ラクサスは最後に笑みを浮かべると、うつぶせに倒れたのだ。
「なんだ、限界だったのか……」
「……ああ、さっきのは……正直効いたぜ、ワタル」
「名前、覚えてたんだ」
「……認めたって事だ……おい、ジジィ!」
「!……勝者、ワタル!」
――まさかラクサスが負けを認めるとはのう……。
マカロフの審判に、ワタルは右腕のみを胸の前で立てて一礼し、観客は沸いた。
まさか、グレイに続いてラクサスまで負けるとは誰も思っていなかったのだ。
「すげえ、ラクサスにまで勝ちやがった!」「あの新人何者だよ……」「期待のルーキー、だな」「俺たちも負けてられねえな」……
そんな観客たちの声を聞きながら、ワタルはラクサスに歩み寄り、右手を出した。
「……ホラよ」
「要らねえよ……次は負けねえ」
「そうか……俺もだ、次も勝てるかどうかは正直分からん」
「ハッ、ぬかしやがる……」
再戦の約束と、相手への賞賛を済ましたワタルが観客の方を向いた瞬間……
「ワタルー!!」
すごく見覚えのある赤い塊にタックルされた……左側から。
ラクサスの重い蹴りをガードし、その上最後の一撃にも使ったワタルの左腕の骨には……主観だがヒビが入っていた。
それがワタルを、心配したエルザに勢いよく抱きつかれて……
ピシッ!
……完全に折れた。
「ッ、ウギャアアアアアア!!」
「え!? お、おい、大丈夫か!?」
左腕の骨折……全治一ヶ月。
家賃9万Jの事を考えると、ギルドの最初の一ヶ月は相当厳しいものになりそうだ、と激痛の中で、他人事のように思った(現実逃避とも言う)ワタルであった。
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