原作開始前
EP.4 模擬戦 VS 妖精の尻尾
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カウンターで左手の“魂威”を、振り向く時の回転を利用してラクサスの腹に当てた。
「グッ! ……見えてるってのか!?」
「逃がすかっ、受け取れっ!」
たまらず距離を取ったラクサスに対し、ワタルは巨大な手裏剣を出して追撃した。
「てめえがなっ!」
ラクサスはこれに反応、電撃で手裏剣を弾き……そのままワタルを攻撃した。
「ッ! 何!? グアッ!」
ワタルは慌てて電撃を掌の“魂威”で防御しようとしたが……収束が足りずに完全に防御できず、何割かダメージを受けて後ろに跳んだ。
空中で体勢を整え、何とか着地したワタルは今までの感触から分析し、考えた。
――パワーはやつの方が上。スピードも雷になれる以上、瞬間的な速さも負けてる。勝ってるのは……瞬発力ぐらい、か。……一発大きいのを当てるには小技が必要だな。
「どうした、そんなもんか!?」
「……」
ラクサスの挑発に応えることなく、ワタルは静かに鎖鎌を出して構え、左の鎌を投げた。
その鎌を、雷を纏った拳で弾いたラクサスは再び距離を詰め、ワタルの左脇腹目掛け蹴りを放ち、ワタルは左腕を盾にして防いだ。
「グッ……フッ」
「? 何を……ッ!?」
左腕からミシリ、と嫌な音がしたがワタルは笑みを浮かべた。
ラクサスはそれを怪訝に思ったが、直後に悪寒を感じ、その場を飛びのいた。
直後、今までラクサスがいた場所を先ほど弾いた鎌が通ってワタルの左手に収まった。
種は簡単。弾かれた鎌を右手の鎌の鎖で操って後ろから襲わせただけだ。
「へえ……便利なモンだな。それ、魔力でも操れるのか……」
「……まあな。一発切の隠し芸みたいなものさ。こんな感じに、な」
そう言ってワタルは鎌の鎖を使ってギルドマークを描いて見せた。
「だが……そんな小細工、二度は通じねえぞ」
「……試してみるか?」
「面白ェ……やって見せろ……!」
ワタルの挑発に乗ったラクサスは獰猛な笑みを浮かべた。
「じゃあ、お構いなく……っと!」
ワタルの右手から放たれた鎌は複雑な軌道を描いてラクサスに襲いかかった。
「もう一つ!」
左手からも一拍遅れて鎌が放たれ、ワタルは両手で鎖を後ろ手に持つことで鎌を操った。
ラクサスはそれを二つとも……躱さなかった。
鎌は二つともラクサスの左右にはずれたのだ。
「ハッ、どうした、外れた……ぞ……ッ!」
そこでワタルの方を見た瞬間、ラクサスはハッと気づき、ゾクッとした。
鎌から延びる鎖が自分とワタルを囲む、一本道を型取っていることに……。
「しまっ……!」
「遅い! “二掌魂威……」
ラクサスがワタルの接
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