原作開始前
EP.4 模擬戦 VS 妖精の尻尾
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「まあな……どうする? 続けるか?」
「……いや、やめとくよ。動けそうにない……参った、降参だ」
「勝者、新人・ワタル!」
グレイの降参にマカロフが声を張り上げ、ワタルは始まりと同じように一礼した。
周りの者はワタルに拍手したり、賭けに勝ったことを喜んだり、逆に負けて落ち込んだり、と様々だった。
「やるじゃねえか、あの新人!」「グレイに勝つとはな……」「くそー、負けた〜!」「大穴だったな…」……
エルザも観客から飛び出し、ワタルに向かって走った。
「流石だな……でも手抜きはないだろう、手抜きは」
「あ、あはは……まあ、様子見だったって事で。……ホラよ、立てるか?」
ワタルはエルザの言葉に冷や汗を流しながら、グレイの前まで歩いて手を差し出した。
「あ、ああ、サンキュ」
グレイはその手を取り、ふらつきながらも立ち上がった。
「おいおい、大丈夫かよ……」
「やった本人が言うことかよ……」
「ははは、それもそうか」
ワタルが笑って言うと、グレイも少し笑って、好戦的に言った。
「ふー、お前強いな……でも覚えとけ、次は勝つ!」
「ああ、楽しみにしてる……よ!」
「なっ!?」
ワタルはグレイと右手で握手しながら、感じた魔力と悪寒に左手を横にかざして“魂威”を撃ち……飛んできた雷撃を逸らした。
「へえ、今のを防ぐか……本気じゃなかったっていうのは本当みたいだな」
「……そんなに闘気を放っていれば嫌でも気づきますよ。それに、まだグレイがここにいるのに攻撃を仕掛けたのは不意打ちじゃないと攻撃を当てられないからですか……先輩?」
「ほお……言うじゃねえか……、新人」
観客から出てきたのは、ヘッドホンをした、金髪で右目に傷を持つ15,6歳ぐらいの少年だった。
そして、何よりも特徴的なのは……“目”だった。
他者を威圧し、自分の方が上だ、と慢心なく言い切れる強さと誇りを湛えた、好戦的且つ野性的な目は、ワタルの背筋を緊張させ……誰かを思い出させた。
「ラクサス! 危ねえじゃねえか!」
「ラクサス……?」
グレイの怒鳴り声で、ワタルは少年の名を知り、そしてその少年・ラクサスが言った。
「避けられない方が悪いんだよ。……そうだ、ラクサス・ドレアー。妖精の尻尾最強の魔導士候補の一人だ」
「最強……ね。俺はワタル・ヤツボシ、新人だ。……その新人に最強候補が何の用です?」
「言わなくても分かると思うがな……」
「……連戦なんですけど……」
「手加減してたんだろ? ならいいだろ、別に」
「……まあ、いいか……グレイ、エルザ、下がってろ」
マカロフを見ると、辟易とした表情をしており、ラクサスが
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