原作開始前
EP.3 ギルド加入、しかし……
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ら……、と納得して下がった。
――星の一族……か。存外、噂など当てにならないものじゃな……。
マカロフはそう胸中で呟くと、クックッ……と笑った。
「なあ、マスターと何を話したんだ?」
「お前が気にすることじゃないさ」
一方、ギルドを出たワタルたちは、マグノリアで暮らすための借家を探していた。
因みに、エルザはワタルと一緒に住むつもりだったのだが、ワタルの必死の説得によって、不承不承ながらも女子寮に入ることになった。
以下の会話がこれである。
「エルザ、お前は女子寮に入れ」
「何故だ? 別にお前と一緒でもいいだろう?」
「良くない! お前は女の子だろうが。男と一緒に住む、なんて軽々しく口にするんじゃない!」
「私は気にしないぞ」
「俺が気にするんだよ」
「ワタルは……私の事嫌いか?」
「うぐっ、……だがそれとこれとは話が別だ」
エルザの上目使いに陥落しそうになったワタルだったが、何とか持ち直した。1ヶ月近い二人旅の経験の成果であった。
「……チッ」
「舌打ちするな、まったく……いいな?」
「……分かったよ。なら、家探しは私も一緒にするからな」
「……まあ、それぐらいならいいだろ……」
閑話休題。
「……左腕の事か?」
「ッ!」
エルザの言葉に、ワタルは、ばれたか、と焦った。
彼女が怪しい、と思ったのは、先ほどの紋章の件だ。
エルザが先に左の二の腕に青いギルドの紋章を刻み、ワタルにも同じところに刻むように言った。
だが、ワタルは左腕を押さえてエルザの言葉を断り、右の二の腕に黒い紋章を刻んだ。その事に違和感を持ったのだ。
「……私だって別に鈍くはないつもりだ。ワタルが左腕を隠していることぐらい気づいていたさ」
「……そうか……」
「……なあ、私は頼りないか?」
「そんなことないさ……」
ワタルは、エルザの問いを否定したが、エルザの気は晴れなかった。秘密にされていることがある、という事が悲しかったのだ。
それを知ってか知らずか、ワタルは言葉をつづけた。
「……腕の事は、時が来たら話すよ。だから待って欲しい」
「……本当、だな?」
「ああ」
「……なら、このことに関してはワタルが話してくれるまで、私は待つよ」
「悪いな……」
「気にするな……フフフ」
エルザはワタルの真似をして、可笑しくなったのか笑い始めた。
――そうだな、エルザにはいつか絶対に話そう。この腕と……俺の一族の事を……
ワタルは、一緒に笑いながらも思い、足を進めた。
余談だが、ワタルが暮らすことになった家は家賃9万Jの家で、その日の夜、ワタルはその家
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