原作開始前
EP.3 ギルド加入、しかし……
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「お、お願いします」
「お世話になります」
マカロフの紹介に、エルザとワタルは礼と共に軽く自己紹介した。
ギルドの者はエルザには大きな拍手で歓迎したが、ワタルに送られたのは疎らな反応とひそひそ声だった。
「貴様等、何じゃその反応は! もっとしっかり歓迎せんか!」
「マスター、気にしないでください。信用はこれから勝ち取りますよ」
「そうか……。すまんな」
「いえ」
ワタルはマカロフを宥めると、ギルドを出て行こうとした。
「お、おい、ワタ……」
エルザが慌ててワタルに声を掛けようとしたが……
「待てよ、新入り」
それを遮るように、半裸の少年が声を掛けた。
「……何だ?」
「俺はグレイ、グレイ・フルバスターだ。俺と勝負しろ、新入り!」
「……ことわ……」
「人の邪魔をするな、この変態が!!」
「ガッ!?」
いきなり勝負を仕掛けてきたグレイと名乗る少年に、ワタルは応えようとしたが……その前に怒ったエルザに蹴られて倒れた。
「……お、おい、エルザ……」
「痛てて……何すんだ、お前!」
「何はこちらの台詞だ! せめて服を着てから話し掛けろ! ここは変態のギルドか!?」
「服って……あー! いつの間に!?」
「無自覚か、貴様!?」
「落ち着けエルザ。……グレイ、と言ったか? 悪いな、長旅で疲れてるんだ。勝負は受けるが……明日でもいいか?」
ワタルはエルザを宥めてからそう言うと、グレイはそういう事なら、と言って引き下がった。
「分かったよ……でも、逃げるなよ!」
「誰が逃げるか、この変態が!」
「変態言うな!」
「なんでお前が言うんだ、エルザ……グレイ、逃げないから心配するな」
ワタルはグレイにそう言うと、エルザを再び宥めながら、ギルドから出て行った。
= = =
「大丈夫なのか、マスター? あいつは……」
「そうだよ、あいつは“星の一族”の末裔だろ?」
ワタルとエルザが紋章を刻んで、出て行ってから、ギルドの大人を代表としてマカオとワカバがマスターに話しかけた。
「心配するな。あやつは大丈夫じゃ」
「けどよ……(ゴンッ!)イテッ!」
「心配するなと言っておろうが、このバカタレめ!」
尚も言い寄るワカバに、マカロフは杖で頭を打った。そして、他の大人たちを黙らせると、静かに語り始めた。
「……ワタルの目を見た。……あやつは穏やかで、優しい目をしていた。だが同時に……“恐怖”を知っている目じゃった。受け入れられない事を恐れていたのじゃよ、あやつは……」
だから、こちらが裏切らない限り心配ない、と言い切ったマカロフに、周りの大人は、マスターがそう言うな
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