原作開始前
EP.3 ギルド加入、しかし……
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ドの仲間……家族を傷つけない限りはな……」
それに、と言ってマカロフはにやりと笑って言った。
「あのエルザという少女は随分とお前さんを慕っていたようじゃが?」
「……一目で分かる物なんですか、そういうの?」
「伊達に歳は喰ってないわい」
マカロフはそう言うと、さらに笑みを深くした。
――はあ、参ったなあ。まったく……
「……分かりました。このギルドのお世話になります」
ワタルは内心で溜息を吐くと、妖精の尻尾に入ることを決めた。
「ほう、良いじゃろう。……ところで……」
「……ところで?」
何を言われるか、と思って心の準備をしたワタルだったが……
「エルザとは……どこまでいった?」
「ブッ!! 子供にそんなこと聞くんですか、あなたは!?」
予想外の質問に吹き出した。
「ええじゃないか、そんなことは。……で、どうなんじゃ?」
「それこそどうでもいいじゃないですか……。それよりも、ギルドに入ったらやる事があるでしょう?」
ワタルは何とかマカロフの質問攻撃を躱し、話を変えた。
「おお、そうじゃな。ギルドの者にお前さんたちを紹介せねばな」
そう言うと、ワタルとマカロフは部屋を出た。
ワタルはギルドに入ることを決めたが……それでも心配だった。
――マスターやエルザは受け入れてくれた……。でも、他の人は……
思い出されるのは、ワタルを見る大人たちの目だった。
妖精の尻尾の大人たちの目ではなく、これまでの旅で過ごしてきた街の大人たちの……ワタルを恐れ、否定する目だった。
きっと妖精の尻尾でもそうなんじゃないか……。ワタルはそう思っていた。
「心配するな。妖精の尻尾はお前さんを受け入れる。必ずな」
「……ホント、何でもお見通しですね」
「言ったじゃろ? 伊達に歳は喰ってない、とな……」
ワタルの悩みを見透かしているように、マカロフは優しく笑い、ワタルも少しは前向きに考えることにした。
――そうだな……信用はそう簡単に得られるものじゃない。なら……自分で掴み取るさ……。
「ワタル! 大丈夫だったか?」
気が付くと、元の大広間に戻っており、エルザが心配そうに見ているのに気付いた。
「ああ、大丈夫だ」
「それで……」
「慌てるな。マスターの発表を待て」
「……分かった」
何を聞かれるかは予想できたし、色々な意味であまり聞かれたくない事だったので、ワタルはエルザの言葉を制した。エルザも不満そうだったがそれに従った。
「……ゴホン。さて、この妖精の尻尾に新たな仲間が増えた。エルザ・スカーレットとワタル・ヤツボシじゃ」
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