原作開始前
EP.3 ギルド加入、しかし……
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う?」
「……ワタル。ワタル・ヤツボシです」
マカロフは嬉しそうにワタルに尋ね、ワタルも名乗ったのだが……ギルド内は水を打ったように静まり返った。その次の瞬間……ギルド内はハチの巣を突いたような騒ぎになった。
「ヤツボシ、だって!?」「じゃあ、あいつは……」「どうするんだよ?」「俺が知るか」……
先ほどまでの宴ムードから一転、ギルド内は大人の話声で一杯になった。
ある者は驚愕し、ある者は困惑し、ある者は慌て、ある者は……ワタルを睨んでいた。
「え……皆、一体どうしたんだ?」
その中で一人、エルザは困惑してギルドの面々と無表情のワタル、そして……何故か険しい顔をしているマカロフを見比べた。
「エルザとやら……少しワタルを借りるが……良いか?」
「え……ワタルを、ですか?」
「……俺なら大丈夫だ、エルザ。心配するな」
エルザはワタルを心配そうに見たが……彼が少しだけ笑ったので、マカロフの頼みを了承した。
「……分かりました」
「すまんな……ちょっと来てくれるか?」
「了解です」
そう言ってワタルはマカロフの後について、ギルドの奥に消えていった。
あとに残されたのは心配そうな顔をしたエルザと、固唾を飲んで見守る大人たちと、彼らの後ろに隠れた子供たちだった。
ワタルがマカロフに連れてこられたのは個室だった。
「……ここなら誰にも聞かれないし、見られない。安心しなさい」
「……ありがとうございます」
「……さてと、単刀直入に聞くぞ……。お前さん……本当に“星の一族”の者か?」
「……」
ワタルはマカロフの問いに対して、黙って左袖を肩口まで捲ることによって答えた。
「事実、か……」
「そういう事です」
「……何をしに来た?」
「……別に何も。……旅の途中で、このギルドに入りたいっていう女の子と会ったからここに来ただけです」
「旅?」
「そうです。……俺をどうするかは、あなたに任せます。……でもあの子の、エルザの目だけは治してやってください。……俺からは以上です」
ワタルの言葉を聞いたマカロフは、ワタルの目をじっと見た後、微かに笑ってこう言った。
「……そうじゃな……なら、このギルドに入りなさい」
「っ、本気ですか? 俺を……“最後の星屑”をギルドに入れる意味、マスターのあなたなら分かるはずです。……なのに、何故……?」
ワタルは、まるで理解できない、といった風にマカロフに理由を聞いた。
「ギルドは……身寄りの無いガキにとっては家みたいなものじゃ。このギルドにも何人かそういう奴がおる。そして……妖精の尻尾はそれが例え悪人でも受け入れる。……その者がギルドに仇なし、ギル
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