第四幕その四
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カルの話はもう半分耳に入ってはいなかった。
「今からなら若しかして」
「そしてだ」
三人はなおも話をしていた。
「合言葉を決めておこう」
「それは」
「死、だ」
アンカーストレーム伯爵が強い声で他の二人に言った。
「これでどうかな」
「悪くはないな」
「いや、むしろ相応しい」
リビング伯爵がそれに賛成した。
「今の我々にはな。違うか」
「言われてみれば」
ホーン伯爵もそれに頷いた。
「ではそれでいいな」
「うむ」
三人はまた頷き合った。
「今宵全てが決まる」
「あの男の死が」
三人は今暗い怒りに燃えていた。黒く、静かに、だが熱く燃え盛っている黒い炎の中にいた。
「そして運命が」
彼等はその中に身を置き夜を待っていた。華やかな宴は今その影に暗い闇を抱えようとしていたのであった。
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