第4章 聖痕
第45話 蒼き世界での邂逅
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尽くす。
しかし、その一瞬後には、その焼かれた触枝が、徐々に元通りの姿を取り戻して行く。
しつこく迫り来る触枝を回避し続ける俺。しかし、これだけの再生能力を持つ相手を、生半可な攻撃で倒す事は難しいでしょう。
尚、伝承上のアイツに再生能力が有る事など残されてはいないのですが……。
【彼女とあの魔物に繋がりが有る以上、あの魔物を排除しない限り、彼女が目覚める事はない】
そう答える水の少女。成るほど。矢張り、あの、夕陽に沈む街に顕われたショゴスとタバサの思念体と同じような関係となっていると言う事ですか。彼女の友人で、俺と二人でこれから助け出す相手と、目の前で俺達を喰う気満々で追い掛けて来て居る、あの怪奇植物トリフィドモドキとは。
但し、あの魔物からは、悪意以外を感じる事はないので、その彼女と言う存在は、あの魔物の向こう側。おそらく、校舎内に存在しているのでしょう。
【呼び掛けるって、どうやって呼び掛けるんや?】
全方位に向かうかなり強い【念話】を放つ俺。一応、相手は水の少女を想定。しかし、運が良ければ、その、助けて欲しいと依頼されている少女に届く事を願いながら。まして、俺に某かの縁が有る相手で、ここが夢の世界ならば、俺の【強い呼び掛け】に対して、その彼女と表現されている相手が反応するはずなのですが……。
【何? 一体、誰よ?】
その一瞬の後、無暗矢鱈と不機嫌な雰囲気の若い女性の声が聞こえる。但し、俺の知って居る女声ではない。
しかし、何故か、何処かで聞き覚えが有るような気もする相手なのですが……。
一瞬の停滞の後、再び襲い掛かって来る触枝群。
伝承や物語で語られているアイツの攻撃範囲から考えると、五十メートルから六十メートルほどの距離を離れたら安全圏へと退避出来るはずなのですが、この夢の世界のヤツに至っては、例え、百メートルの距離を離れていようとも関係なく触枝が追いすがって来る。
【誰とは失礼やな。オマエ、唯一の友達の声を忘れたのか?】
俺の言葉により驚いたのは、繋がっている【念話】の先の少女か、それとも俺か。
いや、もしかすると、俺の腕の中の水の少女か。
【友達って、アンタ……】
水の少女が冷気の刃を放つ。これも、タバサが得意とする魔法。
彼女の手を離れし呪符が目に見えない小さき精霊たちに働き掛け、天華に等しい刃が俺を絡め取ろうとする触枝たちを斬り裂いて行く。
耳をつんざく絶叫が響き渡り、異臭を放つぬらぬらとした体液……いや、樹液が斬り裂かれた触枝から垂れ流され、周囲を邪神の顕現が存在するに相応しい雰囲気へと穢して行く。
【何言って居るのよ。アタシの友達が、アンタ一人の訳はないじゃないの】
一瞬の沈黙の後、その【念
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