第四幕その二
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荒ぶる神々の青い目が燃え盛っていた。
「そして君達に一つ頼みがある」
「何だ?」
二人は伯爵に尋ねた。
「復讐は。私の手で」
「いや、それは駄目だ」
だが二人はそれは認めようとはしなかった。
「私も彼も。王とは長きに渡る因縁がある」
ホーン伯爵が言った。彼等は軍人として、政治家として。二人はかねてより王と因縁浅からぬ関係にあった。だからそれは容易には認められるものではなかったのである。
「十年来の因縁だ。それを容易に渡すことはできぬ」
「その通り、私とリビング卿の間ですらどちらが王を殺すかで問題になっている。それを容易には」
「そうか。ではどうすれば」
アンカーストレーム伯爵は顎に手を当てて思案に入った。だがここで夫人が部屋に入って来た。
「お邪魔します」
「別れの挨拶は済ませたか」
「はい。それで御客様が来られました」
「御客様」
「小姓のオスカルさんですが」
彼女は言った。
「如何致しましょうか」
「少し待ってもらえ」
「はい」
「いや、待て」
だが伯爵はここであることを思いついたのであった。
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