休日2
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怒りがようやく収まったのか、いつもの雰囲気に戻っていた。
「おーい、倒し終えたぞ」
「ゲツガ君、お疲れ様」
ユキは手を振った後、ゲツガのところに行った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ゲツガ、お疲れ」
「お疲れ様」
キリトとアスナもそう言ってゲツガとハイタッチする。
「いやー、ゲツガさん、お強いですねー。それに、すごい豹変ぶりでしたな!」
は、は、は、と笑いながら背中を叩かれる。
「まあ、そこはあんま気にしないで。それよりもこれ」
そう言ってゲツガは先ほど手に入れた白銀の釣り竿をニシダに渡す。たぶん、このイベントのクリアした後、手に入る、非売品のレアアイテムだろう。
「おお、これは!!」
ニシダは目を輝かせてそれを手に取る。ニシダは喜んで使い心地を試しているとギャラリーからは別のどよめきがあった。
「あ、あなたたち、血盟騎士団のユキさんとアスナさん?」
一人の男が二、三歩出てユキたちの顔を覗き込んだ。
「やっぱり、どこかで聞いたような声だと思ったらお二方でしたか!!」
「ばれちゃった……」
ユキがそう呟く。
「ほ、本当か、俺、二人のファンクラブの会員なんです!!あ、握手してください!もしくはサインを!!」
その声で一気にギャラリーが沸き、アスナとユキの周りに群がる。しかし、ある一人の男が、何かに気付いたように聞いてくる。
「……ちょっと、まてよ……さっきから親しげにしてる二人の男って……彼氏」
「すみません。私はそこにいるシャツを着た男の人と結婚していて、アスナのほうはそこの黒の服を着ている人と結婚していますんで」
そうユキが言うと一瞬で場の雰囲気が凍りつき、男たちの悲嘆の叫びが響き渡った。ニシダはというと、何のことかさっぱりという顔をしていた。
そして、ゲツガたちの蜜月は、わずか二週間という短い時間で終わりを迎えることになった。だが、最後にこんな楽しいイベントに参加できたのは幸運だったのかもしれない。その日の夜、俺たちの元にある一通のメッセージが届いた。
『七十五層ボス攻略作戦会議を始めるため、君たちに前線に戻ってくるように伝える。なお、君たちには拒否権などない。』
それはゲツガ達の休みの終わり、そしてまた死と隣り合わせの戦いへの始まりを告げるものだった。
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