休日2
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。仕掛けてから数秒で獲物がつれるか、餌が消滅して失敗するかのどっちからしい。固唾を呑んで、沈んだ糸の先を注目する。
しばらくして、釣り竿の先がぴくんと振るえた。だがニシダはその反応がきても微動だにしない。
「きたぜ!ニシダさん!」
「なんの、まだまだ!!」
メガネの奥の、普段は好々爺然とした目を爛々と輝かせたニシダは、細かく震える竿の先端が一気に引き込まれると同時に声を上げた。
「いまだッ!」
ニシダは釣り竿を引いてゲツガを呼ぶ。
「掛かりました!!ゲツガさん!!あとは頼みます!!」
そういわれた瞬間、待機していたゲツガが竿を片手で持つ。それをみたニシダはパッと手を離した。
「おっと、なかなか引いてくるな……」
片手で持ったゲツガは微妙に引っぱられる感じがするだけでそこまで重いと感じない。
「これ、思いっきり引っ張っても折れたりしないか?」
「最高級品です!思いっきりやっちゃってください!!」
「それじゃあ遠慮なく」
ゲツガは竿を両手で持ち、すう、と大きく息を吸い込む。そして思いっきり竿を引っ張る。
先端が相当しなるが折れる気配がまったくない、さすが高級品。そして湖を見ると大きな影が水の中に見える。
「あ、見えた!!」
「大きいよ!!」
ユキとアスナが身を乗り出して水中の影を指す。見物人はその影を見て、大きくどよめく。
そしてゲツガは筋力値最大にして引っ張ると、水面が持ち上がる。そして、ドパー、と水の中から何か飛び出した。それと同時に支えを失ったゲツガはその場に倒れこむ。
「いてっ」
そして身体を起こすとギャラリーが上を見ながら二、三歩後ず去っていた。
「どうしたん……」
そういい終わる前に自分のところだけ影で日が当たらないことに気付く。そして、ギャラリーは一斉に走り出した。そんなことよりもこの影の正体は何だと思い上を向くと大きな口みたいなものが落ちてきてゲツガはその中に飲み込まれた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ゲツガ君が一気に釣り上げた魚は高く空に飛ばされた。
「高く飛んだね」
「そうだね」
「しかし、ゲツガの筋力値ってほんと、規格外だよな。多分俺だったら結構引かれると思うのに片手で若干震えるくらいって……」
「まあ、仕方ないよ。それが極振りの人の特徴だから」
ユキとアスナとキリトは、上に釣り上げられた魚が姿が見えないくらい高く上げられて落ちてくるのを上を見て待っていた。
「しかし、どんだけ飛んだんだよ。姿がまだ豆粒みたいに小さいぞ」
「ホントだよ。もしかしたら上の層の床に当たったんじゃないの?」
そう言っていると、ようやく魚の身体が視
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