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Fate/ONLINE
第八話 拳と剣と槍
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何かに引っ張られる感じがする。

私は抵抗する間もなく、闇の中に引っ張られ意識を覚醒させた。

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気がつくと私は宿のベッドの上にいた。
私はぼんやりと天井を眺める。

たしか私はみんなと一緒にお金を貯めようと迷宮区に行って、そして

「あ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

体が震えだす。
あの時の出来事がフラッシュバックする。

左胸からエフェクトを散らして消えたテツオ。
体中が真っ赤に染まって倒れたササマル。
お腹を貫かれていなくなったダッカー。

そして、真っ赤な衣装に身をまとった男。

コワイ。

躊躇なく人を殺し、混じり気のない殺気をあの男は纏っていた。

思わず自ら肩を抱きしめ体を守るように小さくなる。

「おう、嬢ちゃん起きたか」
「ひっ!」

突然ベッドの横から声がかけられる。
私は声をかけられた事に驚き、身を引いてしまった。

「おいおい、何もそんなに驚く事ねぇだろが」

そこには青いボディスーツを纏った男性がいた。

「あなた…誰?」
「あん?誰ってお嬢ちゃん、そりゃねぇだろ。もう忘れちまったのか?」

忘れた?
私は彼と会った事があるのだろうか?

私は混乱している頭で必死で記憶を探り始めた。

あの時、あの男はセイバーさんを吹き飛ばし、キリトも蹴り飛ばされて倒れた。
そして、キリトが止めを刺されるかと思った瞬間、私の左手が痛み、風が吹き光が照らし始めた。
光が収まった瞬間、

「あ…あの時の」
「おっ、思い出した見てぇだな」

そうだった、彼は私の目の前に突如現れ、あの男と対峙していた。
私はあの後気を失ったようだ。

「あなたが私をここに?」
「おう。まあ、あの坊主が道案内してくれたからな」

彼はニッと笑うとそう教えてくれた。
あの坊主というのはおそらくキリトの事だろう。
「えっと…あ、ありがとうございます」
「ああ、良いってことよ」

私はお礼を言い、彼に頭を下げた。

そう言えばキリトとセイバーさんの姿が見えない。
私は辺りを見渡す。

「坊主たちなら下だぜ。まあちょいと雰囲気は重っ苦しいがな」

私の行動から察したのか、彼はそう言う。

「とりあえず坊主達のとこに行くかい?色々と話してぇ事もあるからな」

彼はそう言い、扉に親指を向ける。

「あ…ハイ、じゃあ…行きます。えっと…ランサー…さん?」

私はHPの隣に表示されている彼の名前を読む。
すると彼は嬉しそうに笑いながら

「おう!よろしく頼むぜ嬢ちゃん」

そう言った。

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