第四十三話 壊れた人形
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葉だな」
「わからねえだと!?」
「そうだ。私はただの機械」
そう述べるだけだった。
「それ以外の何でもない」
「だからだ」
アクセルも言ってきた。
「御前達はただの敵だ。それ以外の何者でもない」
「そうかよ!だから何をしても平気なのかよ!」
「その状況において最も実現できる可能性の高いことを為す」
「それだけだ」
「へっ、人形じゃねえか!」
甲児はそれを聞いてまた言い捨てるのだった。
「しかしよ。そのせいで」
「このままではハガネが」
「どうすればいいんだ」
鉄也も大介も動けない。しかしここで皆あることに気付いた。
「あれ!?」
最初に気付いたのはアイビスであった。
「セレーナがいないよ」
「むっ、そういえば」
次にスレイも気付く。
「いないぞ。一体何処に」
「いえ、いるわ」
しかしツグミが二人に言葉を返した。
「安心していいわ。彼女は」
「あっ!?ああ」
「そうか」
二人もここで気付いた。
「そういうことだね」
「そうか。そうするつもりか」
「一体何なんだよ」
甲児には二人の言葉の意味がわからなかった。
「急に安心してよ。こんな状況で」
「だから。大丈夫なんだって」
「安心しておけ」
二人はそんな甲児に言った。
「反撃のことでも考えておくんだね」
「御前の大好きなな」
「わからねえけどそれを考えたらいいんだな?」
甲児も単純なものでそれに乗った。
「じゃあそうさせてもらうぜ」
「ああ、そうしな」
「時は来る」
こう言うのだった。そうして彼等は安定した感じでハガネを取り囲み続ける。その間にシャドウミラーの工作員達はハガネの内部を制圧していく。そうして遂に艦橋にまで迫ろうとしてきていた。
「遂にここまで来ます!」
「扉は何処までもつか!」
「もうもちません!」
兵士がリーに応える。
「間も無く敵が!」
「くっ、総員迎撃用意!」
リーは手に持っている拳銃を構えながら指示を出す。
「何としてもここは守る。いいな!」
「はい・・・・・・あっ!」
遂にその扉が破られた。そしてそこからシャドウミラーの工作員達が雪崩れ込んで来た。
「来ました!」
「よし!」
最初に銃撃を放ったのはリーであった。それでまず一人撃つ。
「怯むな!いざとなればハガネを自爆させる!」
「ちょっと艦長!」
アカネがそれを利いて慌ててリーに顔を向ける。
「無茶苦茶じゃないの、それって!」
「無茶ではない」
しかしリーは冷静にこう言葉を返すのであった。
「敵にこのハガネを渡すわけにはいかない。だからだ」
「あんたも死ぬんだよ」
「無論承知のうえだ」
それをわかっての言葉なのだ。
「私も軍人だ。いざとなればな」
「そう。じゃあもう言わないよ」
リーの覚悟がわかった
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