第四十三話 壊れた人形
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そのマシンの姿を見て驚きの声をあげた。そこにいるのは誰か、彼等もよく知っていた。
「ご苦労だった、W17」
「はっ」
「そしてアクセルよ」
「有り難うございます」
二人はヴィンデルに対して返事をするのだった。
「W17!?そ、それって」
「ラミアさんのことなのか」
ジュドーとシーブックがそれを聞いて察した。
「そう」
そしてラミアもそれに答える。
「これが私の本当の名称だ」
「ほ、本当の名称!?」
「以後憶えておくことだ」
「話し方も変わってる」
「じゃあ今までのはお芝居だったの」
「それは違う」
ルーとエルのその言葉は否定した。
「言語機能がおかしかっただけだ」
「機能って」
「機械そのものじゃないか」
「じゃあ何なんだよ。部品だっていうのかよ」
イーノ、モンド、ビーチャは今のラミアの言葉からそれを察した。
「とりあえず聞きたいけれど」
アクアが彼等に問う。
「ラミアちゃんに何をしたのよ」
「何も」
それに答えたのはエキドナであった。戦場には彼女もいたのだ。
「彼女は私達の仲間。わかりやすく言えばスパイなのよ」
「スパイ!?」
「じゃあやっぱり」
「そういうことよ。ずっとこの機会を待っていたのよ」
エキドナと一緒にいたもう一人の女が述べる。
「そして私はレモン。宜しくね」
「レモンだと」
「またシャドウミラーが」
(しかし)
だがここでそのレモンは考えるのだった。
(W17。ハガネのブリッジを制圧しろと言った筈なのに何で外から脅しているのかしら?)
「では返答を聞こうか」
ヴィンデルが彼等に問う。
「ロンド=ベルの諸君、武装解除に応じるか否か?」
「否だ」
リーが彼等に答えた。艦橋に既に敵が迫っている中で。
「貴様等になぞ屈しはしない。絶対にな」
「そうか。ならば」
「アンジュルグを自爆させましょう」
「いや、待て」
だがここでヴィンデルはレモンの言葉を退けるのだった。
「まずはハガネの制圧だ」
「ハガネのですか」
「そうだ」
こうレモンに答えた。
「まずはだ。順調にいっているか」
「おそらくは」
レモンはこうヴィンデルに述べた。
「そうか。ではそのまま続けさせよ」
「はい。こちらW15」
レモンはあらためて通信を入れた。
「そのままハガネを制圧しろ。いいな」
「はっ」
彼等の指示に従いハガネの制圧は進められていた。ロンド=ベルの面々が近付こうにもラミアとアクセルが自爆しようとするのでそれは無理だった。
「汚ねえ真似してくれんじゃねえかよ!」
甲児が二人に対して叫ぶ。
「一時とはいえ仲間だったんじゃねえかよ!」
「仲間!?」
だがそれに対するラミアの言葉は素っ気無い、いや感情のないものだった。
「常に聞いていたがわからない言
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