第七話『静かなる衝撃《ストライク》』
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「スウェン、ストライクをもう一度展開しろ」
「了解……来い、ストライク」
スウェンは待機状態のストライクの名を呼び念を送る。スウェンの体は一瞬にして装甲に包まれ、頭部にフェイスを装着した。手足の動作を確認するために、スウェンは何度も手を握ったり開いたりしている。
「……」
シュハイクは唖然と脱帽をしていた。その理由はスウェンの成長ぶりだ。
彼はたった一時間でISの展開を1秒から0.6秒まで抑え、部分展開も容易にこなした。そして残りの時間でISの基本操作もすぐさま覚えた。
シュハイクはスウェンの事を元から過大評価していたが、まさかここまで早くもISの操作を覚えるとは思わなかった。スウェンの成長スピードはある意味異常だ、彼は何かしらの処置等を受けていたのでは?と疑うほどであった。
「全く、お前には驚かされる。さて、残り5分で模擬戦を始めるが……ストライクは形態移行していないようだな」
「そのようですね」
ISのコアは、操縦者の人体の情報や稼働経験から適性化を行い、機体の形状および装備を操縦者の特性に合わせて変化する。三次移行まであるが、ストライクは一次移行もしていない。
「模擬戦の勝敗は簡単だ。どちらかのシールドエネルギーが0になった時点で終了。スウェン、ストライクの武装面はどうだ?」
「問題ありません、戦闘はできます」
「そうか……そろそろ時間だ。武運を祈る、行って来い!」
「了解」
スウェンはストライクを起動したまま、カタパルトに足を固定する。
(何故か懐かしいな、この感じ……)
不思議な懐かしさを感じ、スウェンは一呼吸入れる。
「スウェン・カル・バヤン、ストライク出る」
カタパルトは火花を散らしながら押し出され、スウェンは模擬戦場へと出る。バーニアを吹かしながら、地面へと足をつけ、前方を見る。手足に黒い装甲が装備され、背部には一対のユニットが浮遊しており、こちらを視線に捕らえているクラリッサが居た。
「あれがあの男のIS……」
なんて姿だ。ラウラは真っ先にそう呟いた。武装は右腕に持たれたライフルとシールドだけ、背部にはユニットの類すらない。まさに“素体”という言葉が相応しい。
(あんなもので副隊長を? あの男がどれほどの技術を持っているかは知らないが、負けを見るのが必然だ。精々あがく姿を見せてみろ)
スウェンの姿を反らさずにラウラは見ていた。
「それがスウェン少尉のIS、しかもフルスキンか……」
「はい、こいつはストライク……義父と義母から託されたISです」
「そうか……自己紹介がまだだったな。私は“シ
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