第三十五話 帝国外銀河方面軍
[10/10]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ドス人を殺すつもりなんですね」
それが痛い程わかるのであった。
「憎しみにより」
「仕方のないことです」
ラクスもそれを認めるのだった。肯定であった。
「彼等を倒さないと罪のない人達が殺されるのですから」
「そうですよね」
エイジもそれを否定することはできなかった。
「グラドス人を放っておいたらまた」
「私もまた。グラドスの方々に対してはその命を奪うことにしています」
「命をですか」
「戦いは相手の命を奪うことです」
ラクスはそれをはっきりとわかっていた。
「それは避けられません」
「はい」
わかっているつもりだった。
「それは」
「そして罪のない人を救う為にはそれを害する相手を倒さなければならないのです」
「そういうことですか」
「ですから私はジュドーさん達の考えに賛成なのです」
根拠はそこであった。
「それは守る為なのですから」
「人々を守る為に」
「エイジさんの剣は人々を守る為にあるのですね」
「そのつもりです」
エイジもそのつもりで地球に来ていた。そのことを今思い出していた。
「地球が狙われていることはわかっていましたから」
「かつての同胞からですね」
「僕は。半分は地球人です」
それも言う。
「それもあって。ここに来ましたから」
「では。覚悟はおありですね」
「覚悟は」
エイジの顔がまた曇った。
「如何でしょうか、そこは」
「あります」
顔は曇っていたがそれでも言うのだった。
「だからここまで来ました」
「そうですね。それでは」
「僕も・・・・・・戦います」
エイジは言う。
「人として。地球人として」
「地球人としてですね」
「はい」
ラクスの言葉に頷いた。
「絶対に。罪のない人達を守ってみせます」
「守るべきものの為に戦う」
ラクスは言う。
「そうでなければ戦う資格はありません」
「資格ですか」
「力は何の為にあるか」
それをエイジに告げるのであった。
「それをよくお考え下さい」
「わかりました。それでは」
「間違えても。グラドス人のようにはならないで下さい」
ラクスはそれをつとね願うのであった。
「それだけは」
「はい。僕も決めました」
エイジは強い言葉で頷いた。まだ顔には迷いがあるが。
「力は皆の為に」
「心のない力は滅びます」
またラクスは言う。
「それも覚えておいて下さい」
「はい」
エイジにとっては大きな話だった。彼はそれを覚えておくのだった。しかもそれを実感していくことにもなるのだった。また時が動こうとしていた。
第三十五話完
2008・1・3
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ