第55話
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くじを引いていないという事になる。
思わず上条はガッツポーズをする。
周りの生徒はあの上条は当たりくじを引いていない!!、と驚きの表情を浮かべている。
「へっ!毎回毎回全部の不幸がこの上条さんについてくると思うなよ!!」
しかし、周りの生徒は白紙の紙を引いたらしい。
制理も姫神もハズレを引いている。
ちなみに青髪ピアスも白紙だったらしく、真っ白に燃え尽きていた。
そうなると誰が当たりのくじを引いたのか、上条は隣で座っている麻生を見た。
「・・・・・・・」
折りたたまれたくじを開けたまま表情が固まっている麻生。
上条は後ろから麻生が持っているくじを覗き込む。
そこには当たりです〜☆、ととても可愛らしい字が書かれていた。
つまり、上条ではなく麻生が当たりくじを引いたのだ。
「なぜだ、どうして俺が当たりくじを・・・・・
こんな面倒な出来事は当麻の担当なのにどうして・・・・」
「いや、俺の担当とかないから。」
しっかり麻生の呟きにツッコむ。
上条ではなく麻生が当たりくじを引いた事に周りがさらに騒ぎ始める。
制理は少し小さく笑みを浮かべながら言う。
「この際だから貴様の堕落した学校生活を改善してみれば?」
それに続いて姫神も言う。
「最近。あなたは不幸な出来事に良く巻き込まれるわね。」
同情の言葉を貰い麻生は何とかして辞退できないか考える。
「では麻生ちゃん。
ホームルームが終わり次第、校長先生の所に行って資料を貰いに行きましょう。」
「先生、辞退とかする事は出来ますか?」
「駄目ですーっ!!
この行事は両校の交流を兼ねています。
もし麻生ちゃんがボイコットとかしてしまうと、私達の高校は低い評価を受ける事になるのです。」
「変わってもらう事は?」
「麻生ちゃんの周りで変わってくれる人はいるのですか?」
麻生は周りを見渡す。
誰も麻生と目を合わせる事はなかった。
しかし、あの男は違った。
「はいは〜い!!
何ならボクが代わるよ!!
「先生、変わってくれる人が出てきましたが。」
「やっぱり駄目です!
麻生ちゃんの代わりに行ってくれる人が居ても代わったら駄目です!」
「何て、理不尽。」
「それじゃあホームルームはこれで終わりです。
後、麻生ちゃんは明日から編入する事になっているので荷物とかまとめてくださいね。
出席もあっちで確認できたら、こちらでも出席している事になるので心配する必要はないですよ。」
出席の事など、もはやどうでもよかった。
何で俺なんだ、と思いながら小萌先生に引っ張られ校長室に向かった。
教室を出る時、小萌先生の横暴に青髪ピアスの叫び声が聞こえたのは言うまでもない
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