第26話 バーミリオンの死闘
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艦隊壊滅しつつあり!」
「ジンツァー艦隊も戦線崩壊の模様!」
「閣下、このままでは……」
「……いったん引いて艦隊を再編する」
アドルフは、いったん引いて艦隊の再編を図る。
だが、そのチャンスを見逃すヤンではない。
「今だ、全艦総攻撃。敵の中央部に砲火を集中せよ」
ヤンは、後退し艦列を整えようとするハプスブルク艦隊へ容赦ない砲撃を浴びせる。
「ガルスター准将戦死!」
「ゲテルリッヒ准将……戦死!」
次々と戦死するハプスブルク艦隊の中級指揮官。
「堪えろ、味方の援軍が駆け付けるまで堪えるんだ!」
ハプスブルク艦隊は必死に堪えるも艦艇は次々と撃ち減らされていき、旗艦ブリュンヒルデも数発被弾する。
アドルフが『俺の運命もここまでか……』などと思い始めた…その時。
「右方より援軍、およそ8000! ファーレンハイト艦隊です」
「おお、来たか。よし、反撃を開始しろ!」
ファーレンハイト艦隊の来援により、同盟軍の左翼を担当していたモートン中将の艦隊はメックリンガー艦隊とファーレンハイト艦隊に挟撃される形となる。
「敵の侵入を許すな! あと一息、あと一息でヤン元帥が敵の旗艦を討ち取れるんだ!」
「閣下、いけません。敵の攻撃が激しく、味方の損害が多大です。このままでは戦線を維持できません。既に、我が部隊の損害は5000隻に達しています」
「馬鹿な! 僅か1時間余で6割以上が失われたというのか!?」
直後、戦艦アキレウスの艦橋にビームが直撃した。
そして、その報は同盟軍旗艦ヒューベリオンへともたらされる。
「戦艦アキレウス撃沈、ライオネル・モートン提督戦死」
同盟軍にとっての凶報はそれだけでは無かった。
「後背に敵出現。数、8000!」
それは、ファーレンハイト艦隊に次いで戦場へ駆けつけてきたアイゼナッハ艦隊であった。
急いで駆け付けて来たため、ファーレンハイト艦隊と同様に数が減じているが、それでもこの局面においては決定的ともいえる数である。
その被害を一番に受けたのは、シュタインメッツ艦隊を抑えていた右翼のカールセン艦隊であった。
「閣下、ミサイルもエネルギーも底を突き、もはや……」
「ワシは士官学校に行けなんでな……」
「は?」
「これまで統合作戦本部のエリートさん達に対する意地だけで戦ってきたものじゃ。こんな時代でなかったら到底艦隊司令官までは出世できなんだろう。それが、こうしてハプスブルク大公にあと一歩のところまで戦えたんじゃ……もう十分じゃな」
第十五艦隊旗艦ディオメデスにビームが殺到し、ディオメデスは爆沈していく。
ラルフ・カールセン提督――彼の死に様は、直立不動で敬礼をし
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