第26話 バーミリオンの死闘
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本隊より分断しました」
「よし、前方の敵軍に総攻撃。それと、グエン・バン・ヒューに連絡。敵を撃滅せよと」
「おう、やっと出番か。行くぞ、全艦突撃だー!」
ヤンは、今まで温存しておいたグエン・バン・ヒューの部隊を帝国軍に叩きつけた。
「シャハハハハハ、こいつはいいぞ。前には敵の団体だ。狙いを付ける必要も無い、とにかく撃てば敵に当たるぞ!」
「敵の侵入を許すな、全力を上げてハプスブルク大公をお守りするんだ!」
ミュラー艦隊は、同盟軍の猛攻を必死に食い止める。
・・・・・
「損傷6ヶ所、核融合炉破損。危険状態です」
「閣下、脱出なさってください。この艦の命運は尽きました」
「では、他の間に司令部を移す。最も近い距離にいる艦はどれか?」
「戦艦ノイシュタットであります」
「うん、総員に退去命令」
だが、ミュラーが司令部を移したノイシュタットも同盟軍の砲火に曝され、間もなく航行不能に陥るとミュラー等が退去した直後に撃沈した。
「運が良いのか悪いのか……」
ミュラーは戦艦オッフェングルフに司令部を移し、さらに2時間後、戦艦ヘルテンに移乗した。
こうして不退転の決意を以って勇戦を続けたミュラーは、これによって後に『鉄壁ミュラー』の異名を奉られることとなる。
そして、遂にヤン、スプレイン両艦隊はミュラー艦隊を突破。
数で勝る帝国軍有利と思われたこの会戦、帝国軍は意外な苦戦の中にいた。
* * *
やっとの思いでミュラー艦隊を突破したヤン、スプレイン艦隊であったが、ミュラー艦隊が時間を稼いだおかげでハプスブルク艦隊は猶予を持って陣形を整えており、数においてもヤン、スプレイン艦隊のそれを凌駕していた。
「全艦、砲撃開始! 撃って撃って撃ちまくれ! それと、アースグリム級6隻に主砲の発射を命じろ。ここが正念場だ」
6隻のアースグリム級戦艦――アハトアハト、ドイッチェラント、リュッツォー、アドミラル・シェーア、アドミラル・グラーフ・シュペー、スルクフ――の艦首大型ビーム砲が発射される。
ヤン艦隊に多少の混乱は見られたが、その度合いはそれほどでは無かった。
帝国軍の艦隊運動にいくつか不審な点を見つけたヤンは、その直線上にある艦艇数を少なくし、残った艦艇にも急速回避の準備を伝えていた為である。
結果として、同盟軍の損害は数百隻程度の艦を失っただけで済んだ。
が、アースグリム級の艦首大型ビーム砲の威力はヤンの心胆を寒からしめた。
「こんな切り札を残していたとは……しかし」
ヤンは火力の集中と適確な艦隊運動でアドルフ艦隊の戦力を徐々に削いでいく。
流石に、ヤンとアドルフでは実力の格が違った。
「クナップシュタイン
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