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SAO編−白百合の刃−
SAO5−不器用とお節介
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は語らないのに、めんどくさそう。だけど承知してくれた。

「うん、ありがとう」

 わかってくれたところで、ドウセツも嫉妬して……ないと思うね、うん。
 そろそろ戻ろうと振り返った時だった。

「ん? あれは……」
「って、おい! あれは『軍』じゃねぇか」

 軍の部隊が上層部へと続く出口に消えて行くのを視界に映っていた。
 そこから推測するとプレイヤーいるのに素通りだけなのかな? 兄に話を聞いてみるか。

「キリトー!」
「やっと戻ってきたか二人共」
「おい、キリの字。今さっき『軍』が……」
「あぁ、実はな……」

 兄達と合流して、話を聞いた。森で見かけた重装部隊の『軍』が兄達にやってきた。その『軍』リーダー格である、コーバッツ中佐が当然と言わんばかりマップデータを提供しろと迫られてきたそうだ。アスナは当然のように怒って反対はしたものの、兄はすんなりとマップデータを渡した。その時、ドウセツは何も言わず、と言うか、無視していたみたい。
 一応兄はボス戦に挑むのは駄目だと忠告したけど、コーバッツはどこか無謀さを予期させるものがあると思っていたそうだ。

「キリトの話を聞いたが、大丈夫なのかよ、あの連中……」
「いくらなんでも、ぶっつけ本番でボスに挑んだりしないと思うけど……」

 クラインとアスナがやや心配する中、黙っていたドウセツが口を開いた。

「放っておけばいいじゃない。心配しても無駄でしょう」

 そしてそれはどう言う意味なのかを、この場にいるみんなに伝えた。

「彼は回りの声なんて聞く気もしない、見てもいない。自分しか考えてはいないんじゃないかしらね。一度プライドを粉々にしないかぎり自分が間違っていることに気がつかない。そう言う人に限って、何を言っても無駄よ」
「つまり、私達が何を言おうとしても無駄なの?」
「キリカはあの場に聞いていなかったからイマイチわからないでしょうけど、無駄ね。プレイヤーの疲労を見抜けない、視野が狭い人が気配り一つもできはしないわ」

 話を聞く限り、コーバッツっていう人は必ず無茶なことをして失敗する。でも、それは自業自得に繋がるのだから仕方ないことになってしまう。報われないのも、視野が狭い真っすぐを見つめ、頭も柔軟じゃない。ドウセツが言っていたプライドのせいで自分が正しいと思っているから報われないのも当たり前。止められないから心配するだけ無駄、か……。

「だったら尚更だよ。一応様子だけでも見ようよ」

 ドウセツの話が通るなら、何が起こる前に説得するべきだ。失敗することだってあるんだし、間違えを気がつけば何かが変わるはず。
 人は変われる。それが良くも悪くても変わることは確かだ。

「兄もいい?」
「そうだな……様子だけでも見に行くか。ま
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