TURN55 ドロシー失踪その六
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彼等もゲイツランドまで撤退しカナダでの戦闘は終わった。太平洋軍はすぐにケベック、アラスカに軍を送ることを決定した。
損害を受けた艦隊はハワイの修理工場に送る中で東郷はカナダ星域に降り立った。そこですぐにクリスに会った。
「君はガメリカ軍の提督だったな」
「ええ、そうよ」
クリスはその通りだと微笑んで答える。
「この軍服を見てわかるわね」
「君はこれから捕虜になる訳だが」
「捕虜にならなければ、ね」
「そういうことになるが」
「正直してやられたわ」
クリスは先程の戦闘のことを東郷に言う。
「正直なところね」
「あの魚雷を使った攻撃か」
「まさか艦載機は見せるものとはね」
「やり方がある。艦載機で攻めるだけじゃない」
「引き付けて、ということね」
「そこで他の攻撃で倒すやり方もある」
これは魚雷だけに限らなかった。
「ビームもミサイルもだ」
「そういうのもあるのね」
「一つの攻撃に頼るつもりはない」
東郷はまた言った。
「こうしたやり方がある」
「わかったわ。それじゃあね」
クリスは微笑んだまま東郷に話す。
「その戦いの仕方見せてもらうわ」
「これからか」
「ええ、よくね」
こうしてクリスは太平洋軍に加わることになった。そして太平洋軍はガメリカ軍機動部隊の艦艇の多くを手に入れ修理に回し再び使うことにもなった。彼等にとってはいい報告が続いた。
だがいい報告だけではない。山下が東郷と日本にこんなことを言ってきた。
「実はカナダの森の奥に研究所を見つけたのだが」
「研究所?」
「カナダさんのですか?」
「そこまではまだわからないが」
だがそれでもだと言う山下だった。
「奇妙な研究所だ」
「奇妙といいますと」
日本は山下のその言葉に顔を向けた。
「一体」
「来てくれるか」
山下はその日本と東郷に問う。
「そうしてくれるとわかるが」
「そうだな。それではな」
「お願いします」
東郷と日本は山下の提案に頷く。そのうえで三人でその研究所に向かうとそこはというと。
「・・・・・・これはまさか」
「アンドロイドの研究施設か」
「その様だがな」
山下は首を捻りながら二人に話す。三人の左右には機械の人間達がそれぞれ立たせたうえで置かれている。
その機械達を見ながらこう二人に言うのだ。
「だが何か違う様だ」
「違うというと」
「頭脳に当たるコンピューターが内臓されていないのだ」
「これからつけるところじゃなかったのか?」
「どうだろうな。それはわからないがだ」
「引っ掛かるものがあるか」
「少しな。データも調べているが」
この研究所に残っていると思われたデータ、それはというと。
「全て消去されている」
「というと研究自体が破棄されたか」
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