最終話 平凡な日常をいつまでも………
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理にはかなりシスコンだけどな」
「やかましいわ」
それは自覚してるが直す気はねえ!!
「………まあそれはともかく、あの時のお前は加奈が好きだったよな」
不意にそんなことを言われ、零治の目が点になった。
「長年付き合ってる俺だから分かるが、お前達は両思いだったよ確実に」
「俺と………加奈が………?」
「じゃなかったらいくら妹だからってあそこまで面倒見ないだろ普通。それに時々カップルみたいな事もしてたし………」
全く見に覚えが無い………
「そのせいで、加奈は彼氏を作ろうとはしなかったしな」
そう言えばアイツ、彼氏が出来たって話聞いたこと無いな………
「まあお前はともかく、加奈は孝介の事が好きだった。それは確実に言える」
全然気がつかなかった………
だけど昔の俺は、加奈をどう思ってたんだ………?
妹………それとも………
「そんなに悩む事か?………まあ人の事は言えないのかもしれないけどな………」
そう言ってアジトに戻っていく桐谷。
「………まあそんなに悩む事は無いだろう。今のお前と前の孝介だったお前は似てるが違うんだから………今は有栖零治として生きているんだろ?………ただ加奈は一人の男としてお前の事が好きだぞ」
そう言い残して桐谷は部屋に戻っていった………
「俺が加奈をどう思ってるか………」
再び一人になり、考えるのはやはり加奈の事。
確かに言われてみれば前の世界では告白された女の子と加奈を知らない内に比べていたし、加奈に近づいて来る男を見るとイラっときた。
ただそれが好きな女の子だからなのか、大事な妹だからなのかがよく分からない。
「だけど加奈は俺の事を………」
だから義理を強調してたのか………
ただ、情けない兄と決別したいと思っていた………
「でもそうじゃなかったんだな………」
何でも完璧にこなす妹に劣等感を抱いた時もあったが、加奈はそんな事気にしてなかったんだな………
「だったら素直に言えば………駄目か、“兄妹”だもんな………」
行き着く先は兄妹という壊せない壁。
そんな壁があったら確かに素直になんか言えない。
「だからこそ加奈は………」
そんな加奈の一途な心がとても嬉しい。
………だけど、
「俺は………」
「そんな………加奈が………」
レイと桐谷が静かに出ていくのを見た私達。
トイレと言って抜け出し、隠れて付いていくと、外で2人で大事な話を話していた。
ほんの興味があったのと少しお酒が入っていた影響で、私達3人は盗み聞きしました。
それがあんな話だったなんて………
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