始まり
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「……」
「どうした、キリト?」
「いや…二年前、全てが終わって全てが始まった、あの瞬間を思い出してたのさ」
とキリトは自嘲気味に笑った
「あの時ね…」
二年前、βテスターに選ばれた俺は、運がいいと思っていた。完全ダイブという新世代のゲーム環境下でのVRMMOである<ソードアート・オンライン>を他の人よりも一足早く体験できたのだから…いや、今、デスゲームと化したのをみると運が悪かったのだろう
親によって束縛され、素直に従っていたあの頃の俺は<ソードアート・オンライン>によってもたらされる解放感に酔っていた。正式サービス開始の2022年11月6日、日曜日。一秒も遅れずログインした。そして、武器や防具をそろえレベル上げをしていたところで、五時半すぎ世界はその有りようを、永久に変えた
突然、鐘のような音が鳴り響き俺の体を、鮮やかなブルーの光の柱が包んだ。そして、気が付くとゲームのスタート地点である<<はじまりの街>>の中央広場にいた。そして、同じようにテレポートしてきたのであろう一万人程のプレイヤーの群れがいた。
「…どうなっているんだ?」と俺は考えていた。メニューを開くと驚くことにログアウトの文字が消えていた
「なるほど…この事の説明か、何かか…」
と一人合点し運営アナウンスを待った。そして、「あっ……上を見ろ!!」という声が聞こえたので視線を上に上げると100メートル上空、第ニ層の底を、真紅の文字[Warning]と[System Announcement]が浮かび上がり、その後身長二十メートルはあろうかという、真紅のフード付きローブを纏った巨大な人の姿が現れた
不意に巨大なローブの右袖が動いた。続いて左袖もゆるゆると掲げられた。直後、低く落ち着いた、よく通る男の声が、遥かな高みから降り注いだ
「プレイヤーの諸君、私の世界へよるこそ。私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ。プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気付いていると思う。しかしゲームの不具合ではない。繰り返す。これは不具合ではなく<<ソードアート・オンライン>>本来の仕様である」
「なっ……」
予想の斜め上をいく言葉に流石の凜も絶句した
「諸君は今後、この城の頂を極めるまで、ゲームから自発的にログアウトすることはできない。……また、外部の人間の手による、ナーヴィギアの停止あるいは解除もあり得ない。もしそれが試みられた場合……ナーヴィギアの信号粒子が発する高出力マイクロウェーブが、諸君の脳を破壊し、生命活動を停止させる。より具体的には、十分間の外部電源切断、二時間のネットワーク回線切断、ナーヴィギア本体のロック
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