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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
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第三話「真祖」
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を受けた心愛は体育座りをして落ち込む刈愛の隣に同じく座りこむ。ここだけ負のオーラに満ちているな……。萌香もフォローする俺の身にもなって欲しいよ。
「ん〜、じゃあ私のは気に入ってくれるかな〜?」
じゃーん、と取り出したのは一着の深紅のドレスだ。思わず見惚れる萌香はさっそく試着する。
「萌香ちゃん素敵!」
「お姉さま、きれー……」
「可??! とってもよく似合っているよ萌香!」
モカのドレス姿に見惚れる姉妹。確かに深紅のドレスが萌香の銀髪とよくマッチしており、本人の愛らしさを前面に押し出している。
「どう……かな、兄さん?」
もじもじと指を合わせて上目遣いで俺を見上げる萌香に、胸の奥から熱い何かが溢れるような、何とも言えない感覚が沸き起こるのを感じた。
「よく似合っているよ。うん、綺麗だ」
なんの捻りもない言葉。しかし、そんな言葉に萌香は嬉しそうに微笑んだ。再び胸の奥の何かをかき立てられる。もしや、これが俗に言う、萌えか?
――おっと、いかんいかん。俺もプレゼントを渡さないと。
「最後に俺だな。俺からのプレゼントはこれだ」
懐からラッピングされたケースを取り出す。ワクワクした顔で受け取った萌香は早速、包装を解いた。
「これは……指輪?」
中に入っているのは銀色の指輪に鎖を通したものだ。
「Une bague de la lune――フランス語で月の指輪と言うらしい。萌香のイメージはどちらかというと月だからな。裏には萌香の名前が彫ってある」
萌香は愛おしそうに指輪を撫でた。
「ありがとう、兄さん、みんな……。とっても嬉しいよ、ありがとう……」
心の底から嬉しそうに微笑む萌香の双眸には涙が溢れていた。亞愛たちが萌香に抱きつき頭を撫でる。
今日一番の拍手が、萌香たちを包んだ。
「……君の教育の賜物か、存外仲良く育ったものだ……。少しいいか、アカーシャ。話がある」
「――? ええ」
親父とお袋が静かに部屋を出て行く。なにやら深刻な顔をしていたが、気になるな。
好奇心が抑えきれない俺は気配を消してこっそり後をつけた。
親父の部屋に入る二人を見届けると、隣室に向かい壁に耳を押し当てる。壁が厚いためこのくらいでは会話は聞こえないが、身体強化の魔術で聴覚の感度を上げることで対応した。今ではこのくらいの芸当は余裕で出来るようにはなっている。
『話というのは他でもない、例の預け先のことだ。先方とはすぐに話がついた、快諾してくれたよ』
『そうですか、よかった……』
『もうすぐ別居中の
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