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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始前
第三話「真祖」
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随分と久しぶりだな。


 俺たちが住む場所は人間界とは隔てた場所に位置するらしい。とは言っても何も別世界にいるわけではなく、結界によって人間界と隔てているのだそうだ。こういった結界によって人間界と隔て、生活環境を確保するのは他の妖怪たちも同じらしく、仲には人間社会に交じって生活する剛の者もいるらしい。人間は排他的な生き物だから、見つかった途端に大変な参事になると思うのだが、大丈夫なのだろうか?


 ちなみに、地上の事を人間界というらしい。


「とりあえず、今は早朝鍛練を終わらせるのが先だな」


 タオルを片手に裏庭へと足を運んだ。





   †               †               †





 時刻は二十時。食堂では数多くのヒトたちが集まり、萌香の誕生日を祝っていた。


「Happy birthday to you〜♪ Happy birthday dear MOKA〜♪」


「萌香ちゃん、十歳の誕生日おめでとう〜!」


 刈愛の声に合わせ盛大な拍手が鳴り響く。萌香は照れ笑いを浮かべていた。


「じゃあ、まずは私からの誕生日プレゼントね! 頑張って作ってみたの〜!」


 そういって刈愛が取り出したのは一抱えする程の大きさを持つ、お手製のヌイグルミだ。


 動物――と思わしき造型をしているが、何の動物なのか分からない。熊にも仮想キャラクターにも見える。


「わぁ〜い! 手作りくまさんだぁ!」


「一応、ウサギさんなんだけど……」


「う、ウサギさん嬉しいなぁ!」


 ――どこか空元気に見えるのは俺だけだろうか?


 刈愛の次は心愛の番だ。ラッピングされた箱を目の前のテーブルにドンッ、と置く。


「刈愛姉さまって以外と不器用なのよね〜。あたしはもっと可愛いものよ!」


「ははっ、いつも喧嘩してる心愛からのプレゼントだなんて、なんだか照れるな」


 包装を解き蓋を開けてみると、中から現れたのは愛らしい顔をした一匹の蝙蝠だった。


「あたしが捕まえたバケバケコウモリのこーちゃんよ! 特技は武器に変身すること。萌香お姉さまの式神にどうぞ!」


 ハイテンションの心愛に合わせ西洋剣に変身する蝙蝠のこーちゃん。頭は良いらしい。


「お、重――ッ!」


「そうそう。欠点は体重が百キロあることよ。ご飯よく食べるの」


 試しに萌香が持ってみると、あまりの重さにガクッと剣を取り落としそうになった。


「あ、ありがたいけど、遠慮しとくよ。こいつは私より怪力のお前向きだし、もうお前に懐いているようだしな」


 声にならないショック
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