暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者
後日談12 修学旅行(前編)
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
結構不味い状況だった様だ。

「レイ、痛いよ………」
「うるさい、心配かけやがって………」
「本当に良かった………」
「このバカ者が………」

俺の後ろにいる星や夜美も涙を流しながら言う。

「みんな………ごめんね………」

そんなライに星も夜美もライの存在を確かめるように抱きしめた。

「でも本当に良かった………一時はどうなるかと思ったの」
「なのはの言うとおりだよ。でも一体どうしたの………?」

そんなフェイトの質問にライは一旦困った顔をしたが、何か決意したのか、辛そうに語り始めた。

「………信じて貰えるか分からないけど、あの大きな空洞に出たとき、僕に向かって多くの霊が向かってきたんだ。憎悪、悲しみ、苦しみ、嘆き、狂ったように様々な負の感情が僕を襲って、体が震えて、冷たくて………所々だけど戦時中の光景も見えたんだ。恐らく受けた苦しみを同じ様に味あわせたかったんだと思う。色んな人が来て、戦争の話を聞いていくけど他人事で何で自分達は苦しんだのにお前逹はって………そんな時見た光景が今も鮮明に残ってる。」

「見た光景………?」

「その時は大きな爆破で天井が軽く崩れ始めたの。このままじゃ崩れると思った日本軍の兵士の人が我先にって出ようとして………だけど出ると外は爆風でとても人が歩ける様な状態じゃなかった。上は爆風、中にいてもいつ崩れても分からない暗い洞窟。生き延びたくても足掻きたくてもどうにもならない………そんな絶望のままそこに居た人たちは爆発によって大きく崩れた岩に巻き込まれて………」

そんなライの話に誰もが何も言えなかった………

「でもね、話してみたんだ。もう戦争は終わったんだよ、苦しむ必要も無いし、いつまでも此処にいても一生苦しむだけだよって………それでね、それからは僕の経験した沢山の楽しい話を話してあげたんだ………親も居ない僕達に家族の温かさを教えてくれたレイの話。僕達の親になって親の優しさを教えてくれたシャイデの話。そしてかけがえのない家族の星や夜美、フェリア、アギトの話。可愛い妹のキャロと優理の話。僕の大好きな阪神タOガースの話。あの中に阪神のファンの人いたんだ………昔は凄く強かったんだって。………まあそんな話をしていたらみんな新たに希望を持ち始めてくれたんだ。今度は夢を、叶えられなかったものをって………そしてみんな旅立っていったんだ………」

「ライ………!!」

そんなライを再び思いっきり抱きしめた。

「レイ、痛いよ………」
「ライ、お前凄いよ………」
「えへへ………珍しく褒められた………」

「お前みたいな心が温かいくて優しい人間が多ければ戦争なんて起きないのかもな………」







さて、そんな事件があった後、戦争資料館に行く気力も無くなった
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ