後日談12 修学旅行(前編)
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…
「今はランタンを使っているので明るいですが、戦時中はこんなランタンも無く、ロウソクも持っていなかったので真っ暗な中、大きな爆発に怯えながら収まるのは待っていたそうです。別の鍾乳洞では爆発で崩れて押し潰れてしまった人達も大勢いるそうです。その中にはまだ見つかって無い人達も………」
「レイ、ライが………」
ガイドの人が話している中、夜美が俺の肩を軽く叩く。
「ライが?どうした………!?」
話途中なので小言で話す。
「ブルブル震えて………名前を呼んでも反応しないのだ………」
そう言われて俺は慌ててライに近づく。
「ライ、ライ!!」
「零治静かに………ライ、大丈夫!?」
懐中電灯で照らされたライは、目の焦点があっておらず、どこを見ているのか分からない。ただブルブル体が震え、何かをブツブツ話している。
「ライ、ライ!!」
「嫌だ………痛い………死にたくない………助けて………」
ライの声じゃない、様々な人の声がライの口から話される。
「これは………まさか霊に取り付かれて………」
「そ、そ、そんな馬鹿な………霊なんて現代に………」
「悪いけど元2−A組はリアルな妖怪を見てるから信じられるわ………」
「い、い、いや!!」
「お、俺こんな所にいたくない!!」
そんなライの様子に気がついたA組のクラスメイトが恐怖で混乱し始めた。
「こら、慌てないで!!下はぬかるんでるから転んで怪我するわよ!!みんな落ち着きなさい!!」
シャイデの叫び声が洞窟に響くが混乱は収まらない。
「レイ、どうしよう………」
「邪霊一閃でライに憑く霊を祓えば………」
「でもそれではライを斬る事になるのだろう?それに一般人がいる中で魔法など………」
「だけどそうしないとライを………」
一体どうすればいいんだ………
「大丈夫、落ち着いて………」
そんな中、いきなりライの声が聞こえてきた。
「もう戦争は終わったの………みんなもう苦しまなくて良いの………だから怖がらないで、寂しがらないで………」
優しくて包み込むようなライの声。
混乱していた皆もライの声に包まれる。
「逝くのを怖がらないで………でないとずっとこのまま暗い洞窟の中で苦しんだままだよ………勇気をだして………」
優しく、ゆっくり問いかける様に話すライ。
そして………
「また会おうね………」
「ライ!!」
そう言った後、ライは気を失ったのだった………
「ここは………」
「ライ!!」
目を覚ましたライに俺は力強く抱きしめた。
あの後、体験は中断。
外に出て気がついたのだが、クラスの皆、顔色が悪い。
実際に
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